“ゴミ同然のブレーキ”も丸ごとクリーンナップ!超音波洗浄はマジ凄いんだってばよ
手が届かないところも「細かな衝撃波」で汚れを分解する超音波洗浄機。今回はブレーキ一式がターゲット。もはやゴミ扱いしたくなるほど汚れて固着していたブレーキキャリパーとマスターシリンダーもびっくりするほどキレイに!・・・なぁんて都合のいい話が、あるのです。論より証拠、ビフォーアフターをご覧あれ!
●「ゴミ認定」されたブレーキ一式は復活できるのか?
今回は、超音波洗浄機を使って汚れがひどく固着しているブレーキキャリパーとマスターシリンダーの掃除に挑戦します。
てことで、今回掃除したいブレーキがこちらです↓↓↓ ↓↓↓
見た目がボロボロで、全く動かないブレーキキャリパーとマスターシリンダー。ブレーキレバーを握っても、溶接されたかのように全く動かず、キャリパーのピストンも同様です。
スライドピンなども腐食していましたが、なんとか分解できました。
まずは、超音波洗浄のメカニズムについておさらいします。超音波洗浄の原理は、液体内で微小な気泡(超音波)を発生させ、それが瞬間的に崩壊する「キャビテーション」という現象を利用しています。この気泡の崩壊が生み出す強力なエネルギーが、物体の表面や細かな隙間に入り込んで汚れを剥がし取るのです。
今回は、超音波洗浄を2段階に分けて挑戦します。まずは超音波+加温で固着を解除します。
●ラウンド①加温機能と超音波で固着を解く!
分解したブレーキの部品を超音波洗浄機に付け込んで、80度の高温に設定して30分間超音波洗浄してみます。
使った洗剤は食器洗い洗剤ですが・・・30分後にはこんな状態に!
取り出したブレーキキャリパー
洗浄前とは別物のように汚れが落ちてますね。そして気になるピストンは・・・
圧縮空気で簡単に「ボンッ!」と取れました!!
簡単で外れちゃって拍子抜けするぐらい。だけど、あれだけ専用工具でグリグリ回そうとしても外れなかったピストンが一発で取れちゃいました。すごいね、効果てきめんじゃん。
温めて、柔らかくして、そして超音波のチカラで汚れを粉砕。まさかこれほどの威力があるとは・・・。
続きましてマスターシリンダーですが、こちらのプライマリーピストンもあっさり抜けました!
こうなると予想はしていても目の当たりにすると筆者もびっくり。まじか、すげーな、超音波洗浄!
●ラウンド②洗剤と超音波で汚れを落とす!
部品が外れたことで全バラにできたブレーキキャリパーとマスターシリンダー。
やっと内部の状態を知ることができました。・・・といっても、もうこの時点でかなり汚れが落ちてはいるものの、でもやっぱりまだまだ汚れが残ってます。
マスターシリンダーは、さっきまで積もっていた固形物は流れたものの、やはり内部の細い通路が詰まってる模様。当然ながらこのままではマスターシリンダーの機能を果たしません。
ってことでここからは第2ラウンド。部品全体に液体が行き渡るようになったはずなので本格的な洗浄作業に入ります。
温度は60度、洗剤は中性洗剤を使って、タイマーを30分にセットしました。
「ちーん」と鳴って洗浄終了!
2回目の洗浄なのでそんなに汚れが出ないかと思いきや、ご覧の通りの真っ黒っぷり。ていうか、まだこんなに汚れが詰まってたのね!
これは結果が期待できるというもの。
仕上げ洗いとして、部品の一つ一つを表からブラシで洗ってやります。
いくらか汚れが残っていたのですが、既に2度にわたる超音波洗浄でかなり柔らかくなっているから、特に力を入れることなく軽くこするだけで汚れがほとんど落ちてしまいました。
仕上げとして、ブレーキキャリパーとマスターシリンダーの組み立てを行います。カップやシール類を全て新品に交換し、組み立てると、まるで新品のように滑らかに動くブレーキが完成します。超音波洗浄の威力に感激です。
超音波洗浄は、放置するだけで高い効果を発揮します。手間は少ないのに、手作業では届かない部分まできれいにできるのです。この便利さを皆様にお伝えしたく、超音波洗浄の啓蒙活動を続けます。
この記事が皆様の参考になれば幸いです。今回も最後まで読んでいただきありがとうございました~!