ハーレー スポーツスターS 雨中の試乗で感じた扱いやすさと凶暴性 現役スポーツスター乗りの所感
筆者の愛車はハーレーダビッドソンのXL1200Rです。
ハーレーのラインナップには色々な「シリーズ」がありますが、XL1200Rはスポーツスターシリーズです。
空冷の883cc、もしくは1200ccエンジンのいずれかを共通のフレームに搭載しています。
様々なバリエーションモデルを展開しつつも大きく形を変えることなく生産されてきたスポーツスターファミリーですが、最近生産終了の噂がちらついています。
そんな中で新しく発表されたのがスポーツスターSです。
今回ありがたいことに日本導入の発表・試乗会に参加することができたのでスポーツスターオーナーとして感じたことをお伝えしたいと思います。
オーセンティックから近代的に進化
まず見ため。愛車を選ぶ時にカワサキW650かトライアンフのボンネビル、そしてハーレーのスポーツスターの三択で迷い、最終的にスポーツスターを選びました。
この三台に共通するのは昔ながらのバイクデザインを踏襲しているということです。丸目一灯ヘッドライトにフィン付きの空冷エンジンのフォルムが好きでした。
今回スポーツスターSはオーバルのLEDヘッドライトを採用。デザインが近代的に進化しました。
エボリューションからレボリューションに
スポーツスターは空冷の「エボリューションエンジン」を搭載していましたが、スポーツスターSは水冷の「レボリューションエンジン」を採用しました。
以前に比べると環境規制などに対応するために空冷エンジンは減りつつあります。以前の空冷エンジンのフォルムが好きでしたが、新しいエンジンには独特の迫力であります。
電子制御がモリモリに
スポーツスターには電子制御は導入されておらず、今後義務化されるABSすら装備されていませんでした。
スポーツスターSにはABSだけでなく、トラクションコントロール、6軸IMU、電子制御スロットル、ライディングモードなどライダーをアシストする電子制御がモリモリです。
雨中の試乗で感じたこと
コロナ対策で日程を分けて行われた試乗会。残念ながら雨中の試乗となってしまいました。
スポーツスターSはライディングモードを選択することができる為、迷わずレインモードに。
ハイパワーエンジンを搭載した車両ですが、レインモードはアクセルに対しての加速が緩やかになるため安心感があります。
加えてトラクションコントロール、ABSなどの電子制御が盛りだくさん、シート高も比較的抑えられているので緊張することなく走ることができました。
フロントには一般的なリア並みのタイヤ幅160mmを装備しており、重心が低いこともあり安定感も抜群。たださすがにコーナリング時にはハンドリングに多少癖があります。
普通にコーナーに入るとワンテンポ遅れて倒れこんでくる感じがあるので、意識的に軽く逆ハンを切ってから旋回すると走りやすい印象です。
高速道でSモードを試してみると・・・
雨中の試乗だったため、常にレインモードにしていましたが、他にロードとSの二つのモードがあります。
高速走行時にどちらも試してみましたが、特にSモードはアクセルを開けた際のレスポンスが良くなり、多少アクセルコントロールに気を使うほど。加速時のエンジン音も変わっているような印象も受けました。
トラクションコントロールが無ければ雨中の試乗では緊張するような場面ですが、安心して走行することができました。
新しいスポーツスターとして受け入れて今後に期待したい
従来のスポーツスターファンは「何か違う・・・」と感じるかもしれませんが、バイクとしての完成度は高く扱いやすい印象を受けました。
スポーツスターには前後サスを伸ばしダブルディスクを装備したXL1200Rやガソリンタンク容量が大きく前後のサスペンションが短いXL1200Lなどのバリエーションモデルが存在しました。
スポーツスターSをベースにしつつ、「走り」や「ツアラー」の要素を強めたバリエーションモデルが展開すると選択の幅が広がります。今後に期待したいところです。