【K-POP論】元AKB48高橋朱里が韓国デビュー。「Rocket Punch」はどんなグループ?
元AKBの高橋朱里が、韓国の事務所に移籍し現地デビューを果たした。
8月7日、新しい所属グループ「Rocket Punch」のデビュー曲発表会(韓国ではショーケースという)の取材に行ってきた。
その後1週間の日韓の報道で、当日の彼女の言葉は大いに伝わっているところだろう。
韓国聯合ニュース:[韓流]元AKB高橋朱里 6人組で韓国デビュー=高い関心
なかには、昨今の日韓関係と絡め”煽る”ような記事も日本のメディアから出たが、雰囲気が悪いということは決してなかった。
現場の雰囲気は「高橋朱里への関心度、スゴし」というところだった。
なにせ質疑応答の時間には彼女に質問が集中。韓国デビューした理由、日韓の芸能生活の違い、どうやってメンバーと意思疎通するのか……エトセトラ。
ほとんどの質問者(記者)が彼女に質問を投げた。彼女は必死に韓国語で答えていた。途中、昨今の日韓関係と絡めた質問が飛び出したときは、少しだけ微妙な空気になったのも確かだ。
筆者はこれを見ていて、「もっとシンプルなことを聞いたほうが、記事にしやすい」と思えた。挙手し、韓国語でとてつもなく簡単なことを聞いてみた。
――ジュリさんにお聞きします。好きな韓国語は、なんですか?
コグマ(さつまいも)です。韓国に来て、韓国語がよく出来ないもどかしさで「さつまいも」という言葉をよく言っていたように思います。
韓国の若い人の間では、もどかしいときに「さつまいも」と言うらしい。これがいくつか韓国で記事になったから、彼女の答えはさすがだった。
スポーツソウル
筆者がむしろ現場で見ていて印象的だったのは、「高橋朱里を巡るグループの姿」だった。
写真撮影の際には、高橋のほうが先輩格として若いメンバーに撮影ポジションの「整列」を促す姿を見せた。
いっぽうでショーケースを完全に終え、ステージを去る際には逆に年下のメンバーが高橋の手を引く場面を目にした。
「大変だったね」と労うかのようだった。この日のメディア向けショーケースは、高橋にとっても新しい経験が多かっただろう。冒頭で書いたとおり、韓国メディアからの韓国語での質問が集中した。ファン対象のステージとは違い、現場で記者は黙々とキーボードを叩いている。独特の雰囲気だ。それでなくとも、会場の99%以上が韓国人というなか、韓国語で話すのはとても大変なこと。この日の彼女は、序盤の曲説明で少し詰まることもあった。そういったなかで、メンバー同士が支え合う姿を見せていたのだった。
グループ名由来は「単調な日常を吹き飛ばす、新鮮な一発のパンチ」
前置きが長くなった。他所ですでに高橋朱里の言葉は報じられただろうから、ここでは彼女の所属する「Rocket Punch」について、じっくり紹介していこう。これが狙いだ。どんなグループなのか。
デビュー曲「BIM BAM BUM」公式MV
この新曲発表会で配布された資料の翻訳から見てみよう。制作者側の意図を知れる重要な情報だ。
あまり他所では原文に当たっていないのではないか!? 資料にはこう記してある。ちょっと長いので、筆者の余談を挟みつつ紹介を。
2019年8月7日、正式デビュー前から大きな話題を集めてきた6人組ガールズグループ「Rocket Punch」がついにベールを脱ぐ。
ヨニ、ジュリ、スユン、ユンギョン、ソヒ、ダヒョンの6人の各自違う魅力と個性で構成された「Rocket Punch」は、2019年下半期、ウリムエンターテイメントから野心あふれるデビューを果たすガールズグループだ。
韓国ではグループのメンバー紹介順は通常、「年齢順」だ。これが覚えやすいから。メンバーのなかではジュリ(1997年生まれ)が最年長だが、ここではリーダーのヨニ(2000年生まれ)の名前が最初に出る。
長い練習期間を経た新人らしくない実力、パーフェクトなビジュアル、ボーカルの実力、派手なパフォーマンスまで多様な姿を兼ね備えている。
「Rocket Punch」という多少特異なチーム名は「単調な日常を吹き飛ばす、新鮮な一発のパンチ」という意味が込められており、Rocket Punchが贈る新しい音楽とステージで多くの日常にエネルギーを送り届ける努力をする。そんな願いがグループ名に込められている。
デビュー曲の「BIM BAM BUM」はドイツ語で「カンカンカン(と鐘の鳴る音)」という意味があり、Rocket Punchの唄が、世の中に向かって響いていくようにという思いが込められている。
”単調な日常を吹き飛ばすグループがやってきましたよ~”と鐘を”BIM BAM BUM”と響かせる。そういう狙いがあるのではないか。
ちなみに所属の”ウリムエンターテイメント”の”ウリム”とは”響き”を意味する。きっとここには遊び心が込められている。事務所側に事実確認はしていないが、そういう想像をしておこう!
最初の2節からリズムの変化が劇的に起き、多彩な楽しさを感じさせる。また、新人らしい意気込みも感じさせる。
2019年の蒸し暑い夏、K-POP界に最初の一歩を踏み出した「Rocket Punch」は、清涼感あふれるリズムと、中毒性のある歌詞、他とは違いのある音楽でK-POP界の新しい期待を集めている。既存のガールズグループとは違う、独特の個性を持つ彼女たちの実力。それ、新しいK-POP市場、次世代の主役として2019年下半期最高の期待の星に挙げられている。
グループだけの個性、カラー。事務所の先輩ガールズグループ「LOVELYZ」でもこだわりを見せている点だ。筆者が以前、LOVELYZに取材した際には「昔からの感覚・感性を残す」という点を聞き出せたが、こちらは「新しい音楽性、”パンチ”というメッセージ性」にあるのではないか。聴き比べも興味深そうだ。
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メンバー紹介。97年生まれ~05年生まれの6人組!
最後に、各メンバーの紹介を(データは事務所配布の資料による)。
ヨニ 2000年12月6日生まれ。161cm。血液型:B。趣味:数独、コンサートの動画を見ること。特技:チャムチャムチャムゲーム、スケート。チャームポイント:うさぎのような性格とポジティブエネルギー。
ジュリ 1997年10月3日生まれ。160cm。血液型:A。趣味:映画鑑賞、音楽鑑賞(バンド系)。特技:素早いウインク、セクシーキューティーな表情。チャームポイント:目。
スユン 2001年3月10日生まれ。169cm。血液型:A。趣味:カラーリングブック鑑賞、写真撮影。特技:立ち幅跳び。チャームポイント:クールな笑顔とリアクション。
ユンギョン 2001年11月1日生まれ。161cm。血液型:B。趣味:ビューティー関連の映像を見ること。特技:レモン早食い、ガンつけ合いの勝負。チャームポイント:クールな見た目と天然ボケのギャップ。
ソヒ 2003年8月14日生まれ。161cm。血液型:A。趣味:YouTube鑑賞、音楽鑑賞。特技:剣道、声帯模写。チャームポイント:ワケの分からない四次元の魅力。
ダヒョン 2005年4月29日生まれ。160cm。血液型:A。趣味:グルメ、掃除、ミカンの皮アート。特技:中国語、じゃんけん、世界の国の首都当てクイズ。チャームポイント:内に秘めた熱い情。
ユンギョンの「レモン早食い」というのは猛烈。早速、韓国から動画が上がってくるのではないか? 期待をしておこう。