Google、インドの通信事業者Reliance Jioと4Gスマホ開発へ
Googleはインドの通信事業者Reliance Jioと提携して4Gスマホの開発をしていくことが明らかになった。2017年末までの販売を目指しているようだ。
「廉価な4Gスマホ」を普及させたい通信事業者
Reliance Jioはインドの4Gでは80%以上という圧倒的なシェアを持つ通信事業者で、Googleと提携することによって自社のアプリなどをスマホにプレインストールしていくようだ。インドでは4Gネットワーク(LTE)は各社で整備が進んでいるものの、まだほとんどのインド人が2Gや3Gを利用している。そして多くのインド人がスマホでネットに接続するときには無料や廉価なWi-Fiを利用している。インドではデータ通信費もプリペイドなので、通信費のかかる3Gや4Gのネットワークを利用してネットにアクセスしない人が多い。また4Gネットワーク(LTE)は全国規模で普及してきても、4Gに対応したスマホを利用していない人が多い。通信事業者が4Gに対応した格安料金プランのプリペイドSIMを販売しても、ユーザーが持っているスマホが4Gに対応していなければ売れない。そのため「廉価な4Gスマホの普及」は通信事業者にとっても重要だ。
Reliance Jioは既に「LYF」のブランドで4Gスマホを提供しており、一番安いスマホは50ドルからと4Gとしてはかなり廉価なスマホを提供している。IDCインドによるとインドでは2016年に1年間で1億910万台のスマホが出荷された。1位はサムスンで24.8%、2位が中国Lenovoで8.9%、3位がインドMicromaxで8.8%にReliance Jioのシェアは7.1%で4位だった。Reliance Jioは前年比2122.7%と爆発的な成長を見せている。
Googleにとっても重要なインド市場
Googleは以前にもAndroid Oneという廉価版スマホをインドの地場メーカーMicromax、Lava、Spiceなどと提携して市場に出してきた。Android Oneはインドだけでなく世界中の新興国を中心に多くの廉価スマホとして出荷されている。またGoogleはインドでは全国の駅に無料のWi-Fiも敷設するなどインフラ整備にも注力している。Googleとしてはネットワークインフラがインドで整備され、インド人がスマホを利用してGoogleの検索やメール、YouTubeで動画視聴をすることによって広告収入の拡大を目指していきたい。また人口12億人のインド人がGoogleのサービスを利用することによって莫大な情報やデータを収集することができるので、それらを元に人工知能を強化し新たな広告やサービス開発につなげていきたいとことだ。そのためにも廉価なスマホがインド中に行き渡ることはGoogleにとっても重要だ。
▼Reliance JioのテレビCM