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工藤監督が「15勝できる」と認める、岩嵜翔の再出発

田尻耕太郎スポーツライター

五十嵐、2度目の登板は1回無失点と順調

3月22日(日)、ウエスタン・リーグでソフトバンクは広島と対戦。前日の勝利に続いて連勝した。

広島     000100000 1

ソフトバンク 00301000× 4

<バッテリー>

【C】●辻(0勝1敗)、池ノ内、河内、小野――磯村

【H】◯岩嵜(1勝0敗)、大場、岡本、五十嵐、S巽(1セーブ)――張本

<本塁打>【H】釜元1号、江川1号

【戦評】

終始ホークスが主導権を握った試合だった。3回、本塁打攻勢だ。この回先頭の張本がヒットを放つと、続く1番・釜元がレフトへ流し打った当たりがそのままスタンドイン。2点を先制すると、3番・江川も左翼席へ1号を運び3点を先取。5回には釜元がヒットと盗塁でチャンスメイクし福田がタイムリーを放って追加点を挙げた。

先発の岩嵜は5回2安打1失点。無四球とコントロールが安定していた。8回には五十嵐がファームで2試合目の登板。1回をきっちり3人で片付けた。

「下半身を使える投球」に早くも成果が

【雑感】

岩嵜翔が3月13日にファーム合流後初めて登板した。5回2安打1失点の好投。結果はもちろん内容も十分だった。15アウトのうち10個のアウトを内野ゴロでとった。与四球もゼロ。低めにボールが集まっていた証明だ。

2月27日、韓国・サムスンとの親善試合では悔しい思いをした。ヤフオクドームに今季新設された「ホームランテラス」に初めて被弾した投手となった。その後のオープン戦で2試合に投げ、計3回を被安打2無失点に抑えたが、工藤公康監督から「下半身を使えていない。100%の力で投げられるように」と課題を与えられてファーム行きとなっていた。

降格後はミニキャンプを実施。「監督からアドバイスされた『ゴムチューブ』を使ったシャドーピッチングや下半身トレを中心に強化をしています」。本人は「まだ始めたばかり」と謙遜するが、コントロールの安定は下半身の安定が生むもの。早くも成果は出ている。

目標は先発でローテーション入りをすること。工藤監督も「15勝できる実力を持っている」と高く評価する潜在能力の持ち主だ。だが、1軍のオープン戦では中継ぎ起用だった。「やっぱり先発は楽しいです」。今はじっくり爪を研ぐとき。次に1軍ローテに入った時には、もう二度とファームには戻ってこない覚悟だ。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

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