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間もなくゴング! WBC/WBOスーパーバンタム級タイトルマッチ

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
(C)Esther Lin/SHOWTIME

 WBC/WBOスーパーバンタム級チャンピオン、ステファン・フルトン・ジュニアvs.元同級WBA/IBF王者、ダニー・ローマン戦まで残すところ半日となった。

 20戦全勝8KOの王者は121.5パウンド、29勝(10KO)3敗1分けのローマンも121.5パウンドで前日計量をパス。

 試合2日前に行われた最終記者会見での両者の言葉をお届けしよう。

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 チャンピオンのフルトンは語った。

 「統一チャンピオンとなってから、どうすればファンが喜んでくださるかを、より理解出来るようになった。2021年の初めに最初のベルトを獲り、同年の終わりに2本目を得た。最高の喜びを感じたね。会心の勝利だったしな。キャンプ中だけでなく、家にいたって自分の立ち位置を実感するよ。今、この場においてもね。

 ここ4試合、負け知らずの相手と戦った。それが俺の道だし、一歩一歩階段を上がって来たんだ。人生もそんな感じでステップアップしてきたよ。俺は今、この瞬間を生きている。過去は振り返らない。

 今回の試合も楽しみながら、挑戦者を叩き潰すつもりだ。ローマンは3敗していて、1度引き分けた。4試合に攻略されたんだ。俺にそういった経験は無い。誰も俺を超えられないのさ。

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 現在のポジションは自分が求めてきたモノだから、気分がいい。ローマンが2冠王者だった時にも対戦を希望したんだ。でも、俺に関心は無かったようだな。彼は応じなかったが、俺はヤツにチャンスを与えた。

 自分は接近戦も可能だし、離れて戦うことだって出来る。試合当日の朝に目覚めた時、どう戦うかを決めるよ。自分の思い通りにやるさ。俺は色んなスタイルを身に付けているからな。

 俺の方がヤツよりも試合に集中している。何より、飢えている。ファンが喜ぶ、いい試合になると思う。魂と共にリングインする。グリーンボーイの頃は、応援してくれるファンもいなくて、ただただ必死だった。今はリスクがあるよね。だからこそ、ローマンを挑戦者に選んだんだ」

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 挑戦者も言った。

 「これは、自分の人生において最大のファイトです。私のチームには利点があり、一方で障壁も感じます。私は、ムロジョン・アフマダリエフに敗れてタイトルを失いましたが、あれは政治力によるものです。まぁ、それもボクシングなんですがね。

 今は目の前にいるステファン・フルトンの事だけを考えていますが、決して彼を過大評価はしません。およそ一年前の試合で勝利してから、ずっとフルトンに注目していました。こんなチャンスは2度と無いでしょうから、必ず勝利して、かつてと同じように、私が統一チャンプになります。私も彼も、ベストを尽くすでしょうが、勝つのは私です。

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 このファイトはチェスのように、相手の出方を窺いながらアジャストした方が勝つでしょう。我々は、試合を楽しみますよ。素晴らしい世界戦になりますよ。メキシコ系アメリカンの歴史に刻まれるファイトをお見せします。私が、他の偉大なメキシコ人ファイターたちと肩を並べられるような戦いになる筈です。絶対に勝ちますよ」

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 間もなく、ミネソタ州ミネアポリスでゴングが鳴る。

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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