ツーリング中のガス欠対策【もうちょっと走れる】知って得する裏技
「ガス欠」といえば、ツーリング中のライダーにとっていつの時代も最大級のピンチ。しかし、不慣れな土地でのツーリング中に「あともう少しだけ走ってくれたら…」と切実に願った経験は、誰しもが一度はあるはず。そこで今回は、そんな状況に役立つベテランライダーの知恵袋を共有します!
●ガス欠はツーリング中のピンチ
ツーリング中にガス欠を経験したことはありますか?実は、私はあります。
それも、ガソリンスタンドどころか民家さえ見当たらない山道の夕暮れ時に、です。なんだかパワーが落ちたと思ったら、エンジンがボコボコ言い出して回転数が上がらない。アクセルを開けても反応せず、そのままろうそくが消えるようにエンジンが止まり、バイクは路肩に停止。
ところが、「まだリザーブがあるから大丈夫」と余裕をかましてコックを確認したら、まさかのリザーブに入れっぱなし。前回の給油時にコックを戻し忘れていたのです。暗くなる山道で、私は完全に孤独なライダーになりました。
●ガス欠でも「最後の一滴」を活かす方法
さて、ガス欠というと「タンクのガソリンが完全になくなった」と思いがちですが、実はまだチャンスが残されている場合があります。
ガソリンタンクが左右に分かれている形状なら、片側にガソリンが残っている可能性があるのです。
バイクの燃料コックは片側についているため、反対側には燃料が取り残されていることが多いのです。
こうした状況に出くわしたら、まず焦らずにバイクを燃料コック側に傾けて、残っているガソリンを集めてみましょう。これで、少量ながら燃料が供給され、エンジンが再始動できる可能性が高まります。
もちろん、タンクの形状やバイクの燃費によって異なりますが、この方法で数キロ、運が良ければ10kmから20km程度走ることも十分可能です。「そんなうまい話があるのか?」と思うかもしれませんが、実際、私はこの方法で2度も助かったことがあります。もうダメだと思った時にエンジンが再び動き出す瞬間の感動は、今でも忘れられません!
●効果があるバイクとないバイクの違い
ただし、すべてのバイクでこの方法が使えるわけではない点に注意が必要です。
例えば、底面がフラットなタンクの場合は、左右に燃料が分かれていないため、ガス欠になったら残存燃料はほぼゼロと考えてよいでしょう。とはいえ、形状によっては燃料が前後に溜まっていることがありますので、バイクを前後に揺らしながらコック側に傾けることで、わずかに燃料を集めることができるかもしれません。
何事も、悪あがきはやってみるものです!
●携行缶で備える!ガス欠対策の基本
そして、長距離ツーリングに出る時は、いざという時のために予備燃料を携行しておくことも大切です。しかし、ガソリンは危険物であり、ペットボトルや空き缶に入れて持ち運ぶことは法律で禁止されています。必ず消防法に基づいた認可済みのガソリン携行缶を使用しましょう。これで、万が一ガス欠になった場合でも、安心して対処できるはずです。