【京都市上京区】商店街にはコミュニティースペースがいっぱい アートと交流をテーマに再生を図る団地!
時折真夏日も現れだして、京の街もだんだん暑くなってきましたね! そんな中、2023年4月6日、どこか昔懐かしい風景とおしゃれな店舗が混在する堀川商店街を歩いてみました。
出水通の角に来ると、白を基調とし、ガラス張りのスタイリッシュな外観の店舗が目を引きます。商店街の真ん中辺りにある「cafe HOPE」では、なにやら老若男女がテーブルを丸く囲んで人が集まっています。「ドーナツトーク」と題して、カードゲームを片手に、ドリンクとお菓子を食べながら井戸端会議だそうです。
「cafe HOPE」は、元小学校教諭で、「子どものよりよい育ちを支える会」代表の西村奈美さんが、こどもからおとなまで、やりたいこと、できること、得意なことを持ち寄って運営している「みんなでつくる みんなのカフェ」です。Wi-fi、プロジェクター、キッチンもあり、貸しスペースとしても使えます。近々好評だったランチ営業も再開する予定です。
もう少し北に上がると、「堀川団地NO.317」というスペースでもイベントが開催されていました。商店街から少し上がったところにある晴明神社の裏手で駄菓子屋を営む「駄菓子屋パンダ」さんがたくさんの駄菓子を出店。西陣の名店自家焙煎のcafe de corazonさん監修で、「一般人コーヒー」が提供されていました。親子連れを始め、たくさんの住民らが訪れていました。
「堀川団地NO.317」は元々、団地の一室だった部屋をラボとして開放したスペースで、地域住民の交流の場として、様々な使い方がされています。他にも堀川団地には、団地住民の集会所としての「堀川会議室」や現在は貸しに出されていますが、公社の会議室としての「堀川common」、近くの京都建築専門学校との共同で創り上げた「ウッドデッキ」などの多様な交流の場も用意されています。
堀川商店街は昭和20年代に、全国初の「店舗付き集合住宅」として誕生し、その後、時の変遷を経て、現在は京都府住宅供給公社が運営し、「アートと交流」をテーマに再生を目指している堀川団地の1F部分にあります。この2月には、行政、企業、商店街、団地住民、学生、地域団体などが一体となって、堀川Exchengesを開催し、今後の団地、商店街の再生について、活発な交流が行われました。
この10年かけてリノベーションが行われてきた堀川団地は、京町屋を立体化したような独特の空間構成をもっています。居室には漆喰仕上げの土壁など昔ながらの趣を残し、創作を行いやすい土間の広い部屋を作り、地域を一緒に盛り上げてくれるクリエイターを対象に居住者を募るなどのユニークな取り組みも行っています。
京都府住宅供給公社によると「これまで暮らしてきた住民とともに、団地の居住者の約4割を職人や音楽家、文筆家などのクリエイターやアートを軸にした交流に賛同する新たな住人が占めている」のだそう。堀川団地には、幅広い世代、職業の人々が交流できる独自の暮らしが生まれています。
ウッドデッキでは、毎月第3日曜日に時節にあった絵本などを持ち寄って、「商店街の小さな図書館」も開催されています。西村さんは、「商店街中に図書館を作ったらいいなとの声もあるんですよ」と語ってくれました。これからの取り組みにも目が離せませんね!
堀川団地再生まちづくり(外部リンク)京都市上京区奈良物町堀川団地 075-431-4151