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今日発売のiPhone15が高い! ガジェット好きFPが考える「スマホ買い換え5つの選択肢」

山崎俊輔フィナンシャル・ウィズダム代表/お金と幸せについて考えるFP
iPhne15発売だがいかにも高い!という人はどうすればいい?(写真:ロイター/アフロ)

iPhone15が発表、そして発売!……でも高いな!

9月13日、Apple社が新シリーズとなるiPhone15のラインナップを発表し、22日にとうとう発売となりました。「そろそろ買い換えかな……」と考えていた人たちにとっては気になるニュースだと思います。

機能はもちろんステップアップしているわけですが、やはりその値段については「うわ、高いな!」と感じた人が多かったのではないでしょうか。

iPhone15の128GBモデル(最小)をAppleストアで一括購入した場合、12万4800円となり、最安モデルでも10万円を突破します。

最上位機種であるiPhone15ProMAXの最大容量モデル1TBにすると同じくAppleストアで一括24万9800円です。ミドルレンジのノートパソコンもこれより安く買えるくらいで、値段の高さが際立っています。

とはいえ、このくらいの値段は予想されていたことです。昨年(2022年7月1日)、円安傾向を軸にしたiPhone13の価格改定が行われましたが、これだけで約19%の値上げが生じました。円安は今も続いているので、この値上がり分が減ることはありません。

また、アメリカやヨーロッパなど、日本以外のほとんどの国では物価上昇がこの数十年続いています。「同じモノも値段が上がるのは当然」です。ちなみに4万円だった商品が、年5%の物価上昇があったと仮定し、これに合わせて値上げを20年繰り返すと10万6000円になります。

日本はほとんどインフレがない20年だったので感覚がバグっていますが、20年で2倍くらいの値上がりは実は当然だったりします。しかしながら、私たちにとっては、iPhone4(16GB)が一括46000円だった時代から物価はほとんど変わっていないので、「新作iPhone12万円? うわ、高い!」と感じるのは仕方がないところです(iPhone4の時代、為替レートが1ドル92円台であったことも、日本人にとってiPhoneが安く感じられた理由となっています。)。

感動のコスパはもう昔にiPhoneには勝てない

「コスパ」を考えたとき、最近のiPhoneはもう昔の機種に勝つことはできません。

消費においては、価格だけでなく感動や満足を合わせて考える必要があります。価格が値上がりした近年は感動がそれに追いつかなくなっています。

私たちは、初めて買ったときのスマホの感動はもう味わえません。初めてタッチパネルをスワイプしてメッセを友人に送ったり、Googleマップを見ただけで感動できた時代は過去のことです。

かといって、iPhone15でしか味わえない感動体験は(普通の人にとっては)ほとんどないでしょう。LINEはiPhoneXでもiPhone miniでも使えます。iPhone15でなくてはいけない理由がありません。TikTokもSNSも旧機種でチェックできます。

YouTubeやAmazonプライム等の動画配信、音楽配信も旧機種が利用できないことはありません。最新ゲームだけが気になりますが、2年くらいの型落ちで動作しないことはまずないでしょう。

「コスパ」を考えれば考えるほど、最新機種の高い値段は響いてこないのが、今の時代の難しさです。

ガジェット好きFPが考える、買い換え時の5つの選択肢

さて、ガジェット大好きオタクFP(初めて買ったスマホは2006年、SHARPのW-ZERO3[es]でiPhone3Gの2年前。クラウドファンディングでは変なIT商品を買っては失敗ばかりしている)である私としても、「みんな、15に乗り換えようよ!」と言いづらい今、他の選択肢はないでしょうか。

今回、5つほど選択肢をまとめてみました。

○選択1:ハイスペック機種は気にしないで機種選択する

24万9800円、といわれると、正直びびりますが、ハイスペック機種かつ大容量機種、つまり一番値段の高いところのお値段です。普通の人がゲームと動画視聴とSNS利用に限るのであればiPhone15ProMAXは必要ないでしょう(魅力があって欲しいという人は買えばいい)。

気にならないなら、シンプルにiPhone15で選択すればいいことになります。容量も控えめな設定とすれば価格を抑えられます。128GBなら12万4800円ですから、先ほどの「半額」になります。

音楽や動画配信もダウンロードをせず、写真等のデータ保存もクラウドをフル活用している場合、512GBでなくてもいいでしょう。とはいえ、128GBで不安という気持ちは分かりますので、ちょっと悩ましいところです。

○選択2:14シリーズなど型落ちをあえて選び安く買う

「そもそも、iPhone15でなくてもいい」という人もいるでしょう。その場合、14あるいは13シリーズで購入するのも選択肢です。14シリーズ、一部が販売終了となっていますが、値下げされて販売されています。

Appleストアでは一部機種が販売終了になっているようですが、iPhone14は7000円値下げとなり、11万9800円が11万2800円となったようです。

あるいは、未使用新品の14シリーズを中古スマホショップで選んでみるのも選択肢です。在庫調整などの理由があるのか、ひとつ前あるいは2つ前の機種の未使用新品という中古がリーズナブルな価格で出回っていることがあります。

(タイミングによって結構価格変動があるのが、中古市場のスマホは興味深い)

旧機種は携帯電話ショップ(特に家電量販店内)において、驚くような安値で登場することもあります。ショップの割引と家電量販店の割引(ポイントのことも)のダブルで値下がりするので、一括払いで数万円に下がるようなパターンです。2年以上前の小容量機種だと1円ということもあります。ただし、契約条件がいろいろ付随するのが多いので、しっかり確認してから購入するようにしましょう。

9/15 ケータイWatch 型落ちになったiPhone 13/14シリーズ、アップルストアの値下げまとめ

○選択3:4年くらい利用するものとして価格を考えてみる

今までスマートフォンは2年くらい使って乗り換えというイメージが強くありました。それだけスペック競争が激しかったわけですが、今ではiPhoneSEやiPhoneXくらいでも2年以上使って困らないようになりました。

今までの「2年使う端末の値段」という考えを「4年使う端末」と考えれば一年あたりの価格は半分ということになります。コスパもいいわけです。

とはいえ、iPhoneX(2017年発売)は今後のアップデート対象から外れたように、少しずつサポート対象外となっていきますので、6年くらいが上限だとイメージしておきましょう。

○選択4:2年後返却する料金プランを使ってレンタルと割り切ってみる

長期で利用できるようになったスマホの実態を、携帯電話各社も意識しています。2年縛りの割引料金プランはなくなりました。今、携帯電話各社が提供している2年後返却プランを活用すると、半額程度の負担で2年間を使い切ることができます。

この場合、2年後には返却しなければならないので、購入ではなく実質的にはレンタルに近い設定です。気になるのは故障等で2年を迎えた場合の取り扱いですが、一定金額を支払えばよく、残額をすべて負担するわけではないようです。

私は、基本的に所有したい性格なのと、2年後には手元に端末が残らないのが納得できないと子ども用にシフトできないこともあり、自身の選択肢とはしていませんが、一考の余地はあると思います。

○選択5:相対的に価格の安いAndroidで考えてみる

最後の選択肢として考えてみたいのは、「そろそろ、Androidにしてみる?」というものです。ほとんどのアプリはiPhoneとAndroidの両対応しています。カメラのスペックなどでも遜色はありません。

Androidが今、魅力的なのは価格設定がiPhoneより相対的に低いことです。Google自ら販売しているPixelシリーズだと、Pixel7aが62700円となっています(執筆時。Pixel8が近日発表予定)。

シャープ等のミドルレンジスマホを選ぶと3~4万円代で買えます。こちらは4年使うには厳しいかもしれませんが、逆に「2年ごと乗り換え」でガンガン買い換えても安上がりです。

iPhoneからAndroidへの機種変更も、昔と比べて簡単になってきました。「Androidは使いにくいし、ありえない」と昔の感覚で決めつけずに検討してみるのもアリだと思います。

悩む時間も「スマホを買うコスパ」の一部!

iPhone15をきっかけに、スマホのコスパについてちょっと考えてみました。かかる費用を下げるアプローチはあなたの考え方自体でいろんなパターンが考えられます。

そして、こうした選択肢を検討し、悩む時間も楽しいものと考えられる人は、そこもまたコスパの一部として考えられるようになります。できれば、「買う前の時間」、検討したりワクワクする時間もあなたのスマホ購入費用の一部と考えてみてください。

普通にiPhone15を買うにせよ、違う選択肢にするにせよ、安い買い物ではありません。店頭で実際に本体を触ってみながら、購入をどうするか、じっくり考えてみてください。

フィナンシャル・ウィズダム代表/お金と幸せについて考えるFP

フィナンシャル・ウィズダム代表。お金と幸せについてまじめに考えるファイナンシャル・プランナー。「お金の知恵」を持つことが個人を守る力になると考え、投資教育家/年金教育家として執筆・講演を行っている。日経新聞電子版にて「人生を変えるマネーハック」を好評連載中のほかPRESIDENTオンライン、東洋経済オンラインなどWEB連載は14本。近著に「『もっと早く教えてくれよ』と叫ぶお金の増やし方」「共働き夫婦お金の教科書」がある。Youtube「シャープなこんにゃくチャンネル」 https://www.youtube.com/@FPyam

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