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米国進出を果たした12戦全勝8KOのスーパーバンタム級

林壮一ノンフィクションライター/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
Photo: Dave Mandel/SHOWTIME

 11戦全勝8KOのドミニカ人、WBAスーパーバンタム級11位のルイス・ヌネスが米国デビューを果たした。対戦相手は10戦全勝5KOのジャイボン・ガーネット。このファイトはフェザー級で行われた。

 無敗同士の潰し合いが予想されたが、試合は一方的にドミニカンが支配した。

Photo: Dave Mandel/SHOWTIME
Photo: Dave Mandel/SHOWTIME

 ガーネットは、私が長く取材したKing of Junior Welterweight(現スーパーライト級)の故アーロン・プライアー<※彼について詳しく知りたい方は拙著『神様のリング』(講談社)をお読みください>と同じオハイオ州シンシナティの出身ということもあり、応援したくなったが如何せんレベルが違った。

 22歳の誕生日に米国でのデビューを飾ったヌネスは、オープニングベルから思い切りよくパンチを振るう。その荒々しい攻撃を、ガーネットは終始持て余すしかなかった。

Photo: Dave Mandel/SHOWTIME
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 結局、3人のジャッジすべてが100-90と採点し、ヌネスが世界ランカーの力量を見せ付けた。

 ガーネットはなす術の無いまま、試合終了のゴングを聞くしかなかった。

Photo: Dave Mandel/SHOWTIME
Photo: Dave Mandel/SHOWTIME

 勝者は言った。

 「素晴らしい内容だっただろう。ジャッジの採点に異論は無いよ。全てのラウンドで俺がポイントをとったさ。攻撃はもちろん、ディフェンスも良かっただろう。ガーネットはいい選手だが、俺を痛めることはできなかったな。早目に次の試合を組んでほしいね」

 世界ランカーとして米国に進出し、当地でのデビュー戦に勝利したヌネスは、これから本格的に世界タイトルを目指した戦いが始まる。SHOWTIMEが今回の試合をオンエアーしたことも好材料だ。

 どこまで上っていけるだろうか。

ノンフィクションライター/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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