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3週間後となった太っちょヘビー級世界ランカー対決

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
Ryan Hafey / Premier Boxing Champions

 9月4日に対戦する元WBA/IBF/WBO統一ヘビー級チャンピオンのアンディ・ルイス・ジュニアと、ルイス・オルティスが、先日、記者会見を行った。

 彼らの試合は、WBCヘビー級タイトル挑戦者決定戦としてロスアンジェルス、クリプトドットコム・アリーナで催される。元統一王者は現在WBC5位、オルティスは同8位。ビール腹が目立つ世界ランカー同士の対決だ。

Ryan Hafey / Premier Boxing Champions
Ryan Hafey / Premier Boxing Champions

 元3冠王者は語った。

 「我々のチームは、ロスアンジェルスに戻って来た。新たな機会を与えられたことに感謝する。簡単な相手を選ぶのではなく、タフな選手との戦いを希望した。だからこそ、ルイス・オルティス戦が決まったんだ。

 俺はロスでのファイトを愛しているし、ずっとこの会場で試合をしたいと思っていた。オルティスの試合を初めて目にした日から、いずれ戦うことになると父に言われたよ。その時がきたな。

 オルティスは強く、扱いにくいうえに、サウスポーだ。長めのキャンプを予定しているよ。自分にとって肝心なのは、とにかく忙しく動き回ることだね。自分は決してオルティスを軽視しちゃいない。彼だって世界王者の座を狙っているし、真っ向から打ち合うことになるだろう。もちろん、勝つのは俺だけれどな。

 オルティスは、自分とはまったく異なったスタイルを持っている。それに対抗するために、ハードなトレーニングを重ねているところだ。彼がどんな風に出てきても、勝つために最善の策を使うよ。世界ヘビー級王座に返り咲くために、非常に大きなファイトだ。

Ryan Hafey / Premier Boxing Champions
Ryan Hafey / Premier Boxing Champions

 とにかくスキルを磨いている。これはウエイトリフティングのコンテストじゃない。チャンピオンとなった時の自分の特徴を生かしたい。だから、それほど減量は必要ないと感じている。

 (世界王者に就いた)アンソニー・ジョシュアとの初戦と似たようなファイトになるんじゃないか。ただ、オルティスはサウスポーだ。その対策をバッチリやっているよ。

 ずっと長い間、アルフレッド・オスーナの指導を受けたいと思っていた。ただ、タイミングが合わなかったんだ。今、本当に必要なことを彼から習得している。オルティス戦に向けては時間をかける必要がある。今の環境が、試合に好結果をもたらしてくれるだろう。

 6歳からボクシングをやってきたが、体に染み込んだものがある。今回は人生の全てを懸けて戦うよ。

 この試合を望んだ人々に、最高のファイトを届けたい。打ち合うつもりだが、12ラウンド、フルに戦う準備もする。必ず勝つ」

Ryan Hafey / Premier Boxing Champions
Ryan Hafey / Premier Boxing Champions

 ディオンティ・ワイルダーの持つWBCヘビー級王座に2度挑み、共にKOで敗れたオルティスも言った。

 「この機会を与えてもらい、心から感謝します。ヘビー級のトップレベルで戦えることは光栄です。アンディにもお礼を言いたい。試合当日が、本当に楽しみです。

 ベストコンディションでリングに上がりますよ。アンディは単なるファイターではなく、元世界チャンピオンです。しかもラッキーで勝利した訳ではありません。周到に準備して試合を迎えます。

Ryan Hafey / Premier Boxing Champions
Ryan Hafey / Premier Boxing Champions

 ファンは2人の潰し合いを期待し、激しい打ち合いを見たいでしょう。彼らを失望させないファイトにしてみせますよ。私自身も血が燃え滾ります。(今年1月の)チャールズ・マーティン戦は良い経験になりました。実は試合中、しゃっくりが出たんです。でも、それを一つの教訓としました。

 私の方がアンディよりも活発に動くということ以外に、アドバンテージは無いんじゃないかな。とにかく日々自分を追い込み、メンタルも鍛え上げます。今の課題は9月4日に勝利を収めること。それからのことは、また試合後に考えますよ。

 12ラウンドまでは進まずに、KO決着となるでしょう。アンディも間違いなくそう考えている筈です」

Ryan Hafey / Premier Boxing Champions
Ryan Hafey / Premier Boxing Champions

 他のヘビー級ファイターと比べコミカルな体型の両者だが、一体どんな戦いになるのだろうか。

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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