NY原油1日:ドル高で戻り売り優勢、OPECの生産も高水準
NYMEX原油7月限 前日比0.10ドル安
始値 60.29ドル
高値 60.64ドル
安値 59.33ドル
終値 60.20ドル
為替相場がドル高気味に推移したこと受けて、期先主導で反落した。
前日は週末・月末を控えてのショートカバー(買い戻し)で急伸したが、そこから更に上値を試すような動きは鈍く、戻り売り優勢の展開になっている。為替市場でドルが底固く推移していることが、引き続き原油相場の上値を圧迫している。ただ、その為替相場も特別に大きな動きを見せている訳ではなく、原油相場の下げ幅は限定された。
需給面では、Bloomberg集計の5月石油輸出国機構(OPEC)産油量が前月の日量3,151万バレルから3,158万バレルまで上振れしたこともネガティブ。特別に大きな動きではないが、生産トラブルが続いていたアンゴラの産油量が回復していることに加えて、イラクが積極的な増産政策に舵を切っていることが、OPEC全体の産油水準を押し上げている。リビアの減産で大きな動きには発展しなかったが、イラクは6月に輸出量を更に拡大する方針を打ち出しており、国際需給に対する緩和圧力がイメージされ易い状況になっている。
原油需給に関しては、季節要因から米国の原油在庫に減少圧力が強まり易いことがポジティブ、国際需給の緩和状態が維持されていることがネガティブとなり、マーケットがどちらにより強い関心を向けるのかが焦点になる。ただ、5月上旬までみられたドル安の支援が薄れる中、引き続き下落リスクの方が大きい相場環境とみている。ドルが急落前の高値水準を回復すれば、50ドル台割れを試すことも十分に可能な相場環境と評価している。