ゴルフ界の驚きの正式発表!プロもアマも「飛ばないボール」使用を求められる時代がやってくる #ゴルフ
ゴルフにおいて、飛距離アップはすべてのゴルファーの願いである。
しかし、未来のゴルフにおいては、すべてのゴルファーが「飛ばないボール」の使用を求められることが、12月6日(米国時間)に発表され、米メディアは一斉に「ブレイキングニュース」扱いで報じた。
ここまでの経緯を振り返ると、世界のゴルフルールをつかさどるUSGAとR&Aは、昨今のゴルフ界が飛距離偏重傾向にあることや、それによってゴルフの本来の在り方が損なわれていること、ゴルフコースの伸長はやがて限界に達することを重く受け止め、飛距離偏重傾向に歯止めをかける目的で、ボールの飛距離を制限する提案を今年3月に発表した。
その際、制限の対象となるのは「プロやトップアマがプレーするエリートレベルの大会のみ」とされており、「一般アマチュアゴルファーは制限の適用外となる」とうたわれていた。
しかし、今年11月下旬に米ゴルフダイジェスト誌は「USGAとR&Aは3月の提案内容を変更し、一般アマチュアも制限の対象に加え、『飛ばないボール』の使用をすべてのゴルファーに求めようとしている」「近いうちに正式発表されるのでは?」と報じていた。
そして、「近いうち」は予想外の早さで訪れた。
USGAとR&Aによる12月6日の正式発表によると、飛び具合を一定条件の下で制限して製造される「飛ばないボール」の使用は、プロやトップアマがプレーするエリートレベルの大会においては2028年から、一般アマチュアは2030年から求められる。
それにしても、3月の時点では「一般アマチュアは対象外」とされていたものが、一転して「一般アマチュアも含め、すべてのゴルファーを対象とする」と変更されたのは、なぜなのか?
USGAとR&Aは「3月から8月までのモニター期間に得られたフィードバックを精査した結果、ボールの飛距離制限の対象は、プロとアマを分けるのではなく、『すべてのゴルファー』に一本化することが好ましいという意見が、主としてゴルフ用具メーカー側から多数得られ、この結論に至った」と説明している。
実際に、この「飛ばないボール」を使用すると、どの程度、飛距離が落ちるのかが気になる。
USGAとR&Aの試算では、米国拠点のPGAツアーや欧州拠点のDPワールドツアーで戦う男子プロの場合は9ヤードから11ヤードほど飛距離が落ち、米女子ツアーのLPGAや欧州女子ツアーのLETの選手なら5ヤードから7ヤードほど飛ばなくなるという。
そして、一般アマチュアが「飛ばないボール」で受けるダメージは「せいぜい5ヤードか、それ以下」とされている。
とはいえ、「せいぜい5ヤード」の飛距離ダウンは多くのアマチュアにとっては「たったの5ヤード」ではなく「大きな影響」と感じられるのではないだろうか。プロにとっての9~11ヤードの影響は「多大」である。
だが、ある程度の影響をもたらすからこそ、そこから得られる大きな効果が期待できると考え、USGAとR&Aは今回の決定と発表に踏み切ったのではないだろうか。
そして、米ゴルフ関係者の間では、ボールの制限に続き、「次はドライバーの飛距離制限だ」と、すでに言われ始めており、ゴルフの未来は「飛ばないボール」を「飛ばないドライバー」で打つという少々不思議な時代になりそうである。