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八村塁のプロデビュー戦! 来月5日開幕のNBAサマーリーグに注目せよ!

菊地慶剛スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師
いよいよ八村塁選手のプロ人生がスタートする。(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

【ドラフト指名選手もほぼ全員参加のサマーリーグが開幕】

 日本人初のドラフト1巡目指名を受けて以来、すっかり時の人になってしまった八村塁選手。ドラフト翌日に指名を受けたウィザーズの本拠地アリーナで入団会見に臨み、英語でジョークを飛ばし会場内から爆笑を誘うなど、すっかり地元メディアにも受け入れられた様子だ。

 これを機に、いよいよ八村選手のプロ生活がスタートすることになるわけだが、すでに期待に胸を脹らませている日本人ファンは、今年11月のシーズン開幕まで待てないのではないだろうか。

 実は、待つ必要はない。八村選手をはじめ今年のドラフト指名選手のほぼすべてが参加する「NBAサマーリーグ2019」が、来月5日(現地時間)に開幕するからだ。

【過去には田臥、富樫、渡邊らも参戦】

 サマーリーグとは、NBAの各チームが来シーズンのチーム編成を考える上で、若手有望選手を招集して彼らの実力を推し量る場で、ドラフト指名選手はもとより、NBAを目指す若手選手の登竜門というべきリーグだ。

 過去には日本人初のNBA選手になった田臥勇太選手や、Bリーグ初の1億円選手になった富樫勇樹選手らも参戦している。また日本人2人目のNBA選手になった渡邊雄太選手も、ドラフト指名を受けなかったがネッツの一員として同リーグに参加し、グリズリーズとの契約を勝ち取っている。

【今年は中国とクロアチア代表チームも参加】

 かつてのサマーリーグは、オーランド、ユタ、ロサンゼルスなど全国数ヶ所で実施され、参加チーム数もまちまちだったが、現在はNBAが管轄し、ラスベガスで実施されるサマーリーグがメインになっており、全30チームが一堂に会するようになった(ただし今年もジャズとキングスが数チームを集めてサマーリーグを実施予定)。

 NBAは21日にサマーリーグの全日程を発表したが、今年は全30チームの他、中国とクロアチアの代表チームの参戦が決まっている。まず5~11日の日程で各チームとも4試合(代表2チームは3試合)を戦い、その後上位8チームを選び決勝トーナメントが実施され、15日の決勝で全日程を終了する。

【初戦の相手はドラフト1位指名のウィリアムソンのペリカンズ】

 そこで気になるのが、八村選手が所属するウィザーズの対戦相手だ。何と初戦は、今年のドラフト1位指名を受けたザイオン・ウィリアムソン選手が所属するペリカンズという好カードが組まれている。

 実は八村選手とウィリアムソン選手は昨シーズン序盤に、直接対決している。八村選手所属のゴンザガ大とウィリアムソン選手所属のデューク大はともに『マウイ・インビテーショナル』の決勝に進出。当時から1年生ながらウィリアムソン選手の評判は高く、デューク大はランキング1位だった。

 その試合で八村選手はウィリアムソン選手と互角に渡り合い、彼の活躍もありゴンザガ大はデューク大を破り優勝を飾ったのだ。これを機に八村選手は、一躍ドラフトの目玉選手として注目されるようになった。まさに因縁の再対決といっていいだろう。

 ウィザーズの日程は以下の通りだ(日付は現地時間)

 6日 ペリカンズ戦

 8日 ネッツ戦

 9日 クリッパーズ戦

 11日 ホークス戦

【1巡目指名の八村はサマーリーグの中心選手】

 繰り返しになるが、サマーリーグはあくまで若手有望選手を試す場だ。中でもドラフト1巡目指名選手ともなれば、チームが一番期待している選手ということになる。

 つまりウィザーズは、今回のサマーリーグで八村選手のプレーを確認することを主目的の1つにしており、起用法もかなり優遇されプレー時間も十分に与えられることになるだろう。日本人ファンにとっては嬉しい限りだ。

 まずは八村選手が今回のサマーリーグで、他のドラフト上位指名選手とどのように渡り合うのか。注目して欲しい。

スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師

1993年から米国を拠点にライター活動を開始。95年の野茂投手のドジャース入りで本格的なスポーツ取材を始め、20年以上に渡り米国の4大プロスポーツをはじめ様々な競技のスポーツ取材を経験する。また取材を通じて多くの一流アスリートと交流しながらスポーツが持つ魅力、可能性を認識し、社会におけるスポーツが果たすべき役割を研究テーマにする。2017年から日本に拠点を移し取材活動を続ける傍ら、非常勤講師として近畿大学で教壇に立ち大学アスリートを対象にスポーツについて論じる。在米中は取材や個人旅行で全50州に足を運び、各地事情にも精通している。

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