【京都府長岡京市】新しい手織りつづれと草木染めの形 夫婦で力併せて母から受け継ぐ伝統の技!
セブン商店街の中ほどにあるコミュニティースペースのspace7で、2022年9月18日に展示即売会が行われていたので、気になって覗いてみました。
まず目に留まったのは、マネキンの首に飾られた彩り鮮やかなストールです。4色あるので何枚も重ねているのかと思いきや、1枚で巻きかたによって色合いを変化させられる優れものでした。藍、あかね、マリーゴールド、藍にマリーゴールドを掛け合わせた緑色に染められています。
一番人気のこのストールを始め、バッグなど店内に並んでいたのは、手織りつづれ工房「河野」の河野淳子さんによって草木染された一品でした。他にもコーヒー豆を炊きだしたり、パールや緑茶、にんじんなど彩りを飾る素材が面白い。マリーゴールドは、自宅で栽培した花を摘んで天日乾燥して染料に仕上げるのだそう。
会場の半分には、草木染めが醸し出す自然の色の糸を使って、京都の伝統織物である「つづれ織り」で織り込んだ名刺入れ、財布、がま口など、また市電や風神・雷神などの京都の風景や北斎シリーズなどを織り込んだタペストリーなど温かみのある素敵な作品が並んでいました。これは、同工房の河野茂さんの作品でした。
河野ご夫妻は、お母さまが守り続けた「手織りつづれ」の伝統技法を受け継ぎ、京都府大山崎町の自然に包まれた住宅街の一画で夫婦で工房を営んでいます。
「手織りつづれ」は、京都の御室仁和寺が発祥地と言われています。正絹を使い、柄を一つ一つ爪で織り込んでいく(爪織り)は、大変手間のかかる伝統的な技法です。異なる色糸を撚り合わせてぼかしたり、くっきりとした境界線を表したり、さまざまな技法を駆使して柄を描いていきます。機械織りでは味わえない布の風合いと手仕事ならではの自由なデザインを楽しめます。
でき上がった帯は、まじりもののない絹100パーセントで作られたしっかりした生地のため、しめていくうちにからだになじんでくずれない上物となります。この技術を継承しているのは、京都府でも数軒と言われています。
工房へご連絡の上、ぜひお立ち寄りください。
手織りつづれ工房「河野」(外部リンク)京都府乙訓郡大山崎町円明寺薬師前65-8 075-952-7473