【パリの意外な穴場】フランスの郵便の歴史を学べる「郵便博物館」に行ってみた!
パリ15区、モンパルナス駅から歩いて約5分の場所に位置する「郵便博物館」。長期にわたる改装工事を経て、2019年11月にリニューアルオープン。実は存在さえ知りませんでしたが、現地に住む友人に誘われて訪れてみました。興味深く郵便の歴史を学ぶことができる魅力的なスポットをご紹介します。
ほど良い規模の「郵便博物館」
パリといえば、ルーブル、オルセー、オランジュリーなど、貴重な展示物を数多く持つ大きな美術館が目白押し。それと共に、アーティストのアトリエや邸宅をいかした、個性あふれる多彩で小さな美術館も存在します。観光客が増え始めた昨今、混んでいない、ほど良い規模の美術館や博物館に足を運ぶのも一案ではないでしょうか。
ある日、現地に住む友人に誘われて訪れた「郵便博物館 Musée de la Poste」。パリ南部に位置する、モンパルナス駅から徒歩約5分のヴォージラール(Vaugirard)通りにあります。
まずは1階でチケットを購入し5階へ。リニューアルされた清潔感のあるモダンな空間が広がります。3階までが展示スペースなので、階下に降りながら展示を観ていきましょう。
5階:馬からドローンまで~時代により最速な方法で配達
まずは各国の郵便袋に目を奪われました。なんてお洒落!いかにも業務用で丈夫そうです。購入できるならしたかったほど好みでした。さすがはアートの国フランス!スタートからセンスがいいですね。
最初は馬に乗って配達をしていたんですね。郵便屋さんの制服は、こんなに立派だったようです。
当時は最先端の職業だったのかもしれません。
そして馬車。乗り物の歴史そのものです。本革を使用して全てがしっかり作られていたのでしょうね。昔のものが質が良い理由がわかるような気がします。
地中海を船で行った時代もありました。
そして電車です。郵便用のTGV(フランスの新幹線のようなもの)が存在したのですね。
車も黄色い専用車があります。可愛らしくてミニチュアを欲しくなります!船、鉄道、車がそろいました。
そして航空便が登場。
エアメイルです。アンティークの市場で販売されているような、お洒落な封書。メールのないほんの30年ほど前までは、「PAR AVION」と書いて外国に手紙を送ったものです。ホテルの予約も手紙でやり取りしていました。そんな時代もあったのですよね。
通信手段も瞬く間に変わりました。携帯に至るまで電話もだいぶ変わりましたね。
4階:人々と郵便配達と
自転車もあります。『ぼくの伯父さん』で知られるフランス人映画監督ジャック・タチの『のんき大将脱線の巻』のポスターと共に。この映画の主人公は郵便屋さんだったようです。
木のうろが郵便箱だった時代があったのでしょうか。なんだかロマンティック。ラブレター?
フランスの歴代郵便ポストたち。とっても洒落ています。その時代時代に合わせたデザインなのでしょう。木製やらアール・ヌーヴォー式、昔のものの方が手が込んで洒落ています。中央にある黄色のポストは、現在も使われているものだと思います。その時代に生きていたら持って帰ってしまいたくなるほど素敵!
郵便屋さんの制服がズラリ。右端の一番古いものは、麦わら帽子にスモッグでラフなカジュアルさがユーモラス。バッグも洒落ていますね。下に展示されている実際に制服を着た人形たちも要チェックです。
とっても可愛らしかったのが、子どもたちがサンタクロースに送った手紙。“Monsieur Noel(サンタクロース様)”とだけ書かれ、住所はありません。子どもたちが、サンタさんを思って一生懸命書いたのでしょうね。
そして郵便局の看板も時代によって変わります。左端の黄色が現在使われているもの。デザインやロゴもそれぞれに味わいがありますよね。フランス各地でこの看板が郵便局の目印になっていたのです。
窓口も贅沢に作られていたのですね。高級ホテルの受付カウンターのよう。
かつて、各家に電話がなかった時代は、郵便局に電話ボックスがあったのでしょう。古き良き時代の映画のワンシーンに出てきそう。
そして各国の郵便ポストです。各国、色やデザインなどそれぞれ趣向を凝らしています。
3階:郵便にまつわるアートや切手コレクションも
アーティストによる郵便にちなんだ作品が展示されたスペースがありました。
我が国同様、切手もいろいろあったのですね。星の王子さまが切手になった頃は、フランスを旅した際に郵便局で購入したものでした。
切手コレクションは見応えがありますよ。以上の常設展に加えて企画展も行われています。
その下の2階にはオリジナルグッズのショップがあります。こちらはあまりにも素晴らしかったので、次の記事でご紹介しますね。
SNSやメールが使えるようになった昨今、手紙やはがきを書く機会がめっきり減りました。こうして郵便の歴史を振り返ると、この文化がなくなっていくのは残念な気もします。少し間を置いて届く郵便物って、なんとなくロマンを感じませんか。
そんなフランスの郵便の歴史を楽しみながら知ることができる素敵な博物館。フランス語がわからなくても、展示物を見ているだけで全く問題なく楽しめます。郵便の歴史はどの国も似たようなものかもしれません。
特に子どもと一緒に楽しむのにぴったり。パリの便利な場所にあるのに、混雑していないのもポイントです。モンパルナス駅近くにあるクレープ屋さん街でランチをした後に訪れるのに最適ですよ。
次の記事(明日、11月2日18時公開)では、あまりにも可愛すぎて全部欲しくなる「郵便博物館」オリジナルのグッズをご紹介しますので、ぜひご覧下さいね。
郵便博物館 Musée de la Poste
住所:34 Boulevard de Vaugirard
75015 Paris
メトロ:4、6、12、13号線 Montparnasse駅
開館時間:11:00~18:00(最終入館17:15)
閉館日:火曜
公式HP:https://www.museedelaposte.fr