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FRBの次回の利下げ幅は0.25%の可能性、もしくはスキップも

久保田博幸金融アナリスト
(写真:ロイター/アフロ)

 9日に9月17~18日に開かれた米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨が公表された。このFOMCでは通常の幅の倍となる0.5%の利下げを決めた。ボウマン理事は0.25%の利下げ幅を主張して反対票を投じていた。

 しかし、この会合では内部で大きな意見対立があったことが議事要旨で明らかになった。議事要旨によると、何人かの参加者が議論の過程で0.25%の幅を希望すると表明。別の2~3人もその判断を支持できると見解を示した。

 7月のFOMCでは、参加者の一部はインフレ率の鈍化や雇用の減速傾向を受けて利下げを開始すべきだとの主張があった。それにもかかわらず政策金利を据え置いた。

 これにより9月の0.50%という通常の倍の利下げは、見送った7月分を含め、2会合分の大幅利下げを実施したという見方が出てきた。

 議事要旨では、9月の決定が将来における利下げペースを確約するものではないという点でさらに幅広い合意があったことも示された。つまり今後も0.5%刻みで利下げをするというわけではないことが示された。

 9月の会合後に発表されたドットチャートでは当局者の予測では大半が年内に1回か2回の0.25%の利下げを見込んでいる格好となっていた。次回の利下げ幅は0.25%となる可能性が高いと思われる。もしくはスキップの可能性もある。

金融アナリスト

フリーの金融アナリスト。1996年に債券市場のホームページの草分けとなった「債券ディーリングルーム」を開設。幸田真音さんのベストセラー小説『日本国債』の登場人物のモデルともなった。日本国債や日銀の金融政策の動向分析などが専門。主な著書として「日本国債先物入門」パンローリング 、「債券の基本とカラクリがよーくわかる本」秀和システム、「債券と国債のしくみがわかる本」技術評論社など多数。

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