Jリーグ序盤戦に衝撃を与える5人(J2編)
Jリーグは第2節を終えました。これまでの特別なインパクトを与えた選手をピックアップしました。「J1編」に続きJ2編です。
山瀬功治(レノファ山口)
秋田戦でプロ23年連続ゴールを記録。しかも、左サイドで一度起点になりながら、ボックス内に動き出して佐藤謙介からの縦パスを受ける形での見事なゴールだった。
キーパーの位置までは見えていなかったと語る山瀬だが、ディフェンスをうまく外して、左足でゴール左隅に仕留める妙技はさすがとしか言いようがない。同じ日にプロ初得点を決めた22歳のFW沼田駿也も「もう素晴らしいというか、尊敬できる選手の一人」と称賛した。
名塚監督も練習の姿勢など若手の見本として期待しながら「1点と言わず2点、3点、二桁得点」と期待をかける。J1昇格を目標に掲げる山口。予算規模や下馬評を考えれば困難なタスクだが、それを実現するには老獪なアタッカーの存在は欠かせないだろう。
遠藤康(ベガルタ仙台)
鹿島で一時代を築き、地元の仙台に戻って来た経験豊富なテクニシャンが早速、大仕事をやってのけた。第2節、終盤に投入されると、水戸を相手に2−2で迎えた後半50分に左足から内田裕斗が上げたクロスを真瀬拓海が折り返す。中央の密集から少し離れたところでピタリと止めると、右足で劇的な決勝ゴールを記録した。
開幕戦はスタメンで後半途中までプレーした遠藤は攻撃の起点として振る舞いながら、左足のシュートでも惜しいシーンを生み出しました。セットプレーのキッカーとしても梁勇基と左右のコンビで相手の脅威になりそうな遠藤。様々な形で仙台の得点シーンに絡んでいきそうだ。
チアゴ・アウベス(ファジアーノ岡山)
衝撃的な2ゴールを決めた開幕戦に続き、第2節の徳島戦でもゴールを決めた。開始3分にボール奪取からそのまま直進して、相手キーパーとの1対1を制した。ここまで3得点。ゴール以外にもチャンスに絡むシーンは多く、まさしく岡山の王様として存在感を高めている。
ここからマークが厳しくなりそうだが、岡山にはオーストラリア代表のデュークもいる。昨年は磐田のルキアン、京都のピーター・ウタカが”規格外の外国人FW”として両チームの昇格を牽引したが、今シーズンはこのチアゴ・アウベスが岡山を昇格に導く可能性は十分にあるだろう。
城和隼颯(ザスパクサツ群馬)
ここまで2試合無失点のJ2クラブは町田、金沢、群馬しかない。その中でも群馬のディフェンスは”組長”こと大槻毅監督が植え付ける4ー4ー2のソリッドなディフェンスで、ボールを持たれる時間帯にも粘り強くバイタルエリアを封鎖している。その中心的な働きをしているのが大卒2年目の城和だ。
空陸の対人戦で、ほぼ不敗の強さを発揮。さらに効果的なロングフィードで攻撃の起点になりながら、全体を押し上げる役割も担っている。まだ自身の得点は無いが、セットプレーからヘディングによるゴールが生まれる日は遠くなさそうだ。
小川航基(横浜FC)
眠れる大砲がついに本格的な目覚めの時を迎えるかもしれない。磐田ではチームの求める動きとゴール前でのフィニッシュの整理に苦しんでいた様子だが、四方田修平監督の率いる横浜FCではシャドーのポジションで”セカンドポスト”をこなしながら、迫力ある動き出しでチームの得点力アップに貢献している。
齋藤功佑の折り返しのボールを強引に流し込んだ大宮戦のゴールは綺麗な形ではないが、生粋のストライカーである小川らしい。ここまで2試合で記録したシュートは9本。その割に1得点という結果は前向きな課題として、ここから先のゴール量産につなげていく期待が高い。