【京都市上京区】冬の風物詩 北野の天神さんで正月の縁起物 大福梅の授与が始まりました。初詣ここ行こ!
京都では、正月に縁起物として、干した梅の実と昆布を煎茶に入れて、その1年の無病息災を願う、大福茶を飲む習慣があります。平安時代の天暦5年(951年)に都で疫病が大流行、この時、空也上人がこのお茶を病人に振る舞ったところ、疫病が収まり、村上天皇が正月にお茶を服すようになったとの故事に由来します。
北野天満宮では、その大福茶用の梅が境内の梅園など1500本の梅の木から収穫され、夏の時期に土用干し(天日干し)され、塩漬けして保存されてきました。約3万個が、事始めとされる、2022年12月13日から参拝者らに授与されます。例年、縁起物の大福梅を求めて行列ができるほど。今年はあいにくの雨の中の授与でしたが、大勢の人が訪れていました。
大福梅を求めて、名古屋から駆け付けたという54歳と56歳の夫婦は、「厄払いして、ここ数年の労苦を何としても来年は元気に過ごしたい」と語ってくださいました。コロナ禍の昨今、願いは益々大きかったようです。
楼門には、来年の干支の兎の絵馬が飾られていました。京都画壇三輪家四代目の三輪純子画伯の奉納です。楼門は、桃山時代の様式です。「文道大祖風月本主」と書かれた扁額が架かっていますが、「文道大祖 風月本主」というのは大江匡衡が「文学の道を極め、風物の詩歌に卓越した」と道真を称賛して、天満宮に奉納した願文の中の言葉で菅原道真公のことです。
楼門の左右には右大臣、左大臣が鎮座しています。北野天神の神紋は星梅鉢紋。「東風(こち)吹かば 匂い起こせよ 梅の花 主なしとて 春な忘れそ」と詠み、梅をこよなく愛したという道真公にちなみます。その梅が主である道真を慕って、一晩のうちに太宰府に飛んでいったという「飛梅伝説」が生まれました。
さあ、来年の初詣はどこに、この北野の天神さんも大人気スポットです。
北野天満宮(外部リンク)京都市上京区馬喰町 北野天満宮 075-461-0005