ポートフォリオ・キャリアを築くZ世代がもたらす新しい価値観と労働文化
スマホと共に育ってきたZ世代が、企業に就職・起業する時代に突入した。デンマークのスタートアップの祭典TechBBQには、起業や投資をする若者の姿も多い。
北欧諸国でも、年上の世代が、入社してきた若い社員との価値観の違いに期待や戸惑いを感じている。
そのため、TechBBQでは労働文化に足を踏み入れたZ世代が「何を考えているのか」「どうすれば有能な若い人材を確保できるのか」を考え、明日の職場での包括性を促進する方法についての洞察を得るために、Z世代を招いた登壇機会を設けている。
- Nina Carøeさんは、Valuebeatを共同設立し、最近Zensaiに買収され、現在はチーフ・ヒューマン・サクセス・オフィサーを務めている。
- Alexander Tolstrupさんは、不動産部門のエネルギーデータ収集に革命を起こすデンマークのスタートアップ、comundoの最高戦略責任者だ。
- VC投資家であるMeagan Loystさんは、Z世代投資家、創業者、経営者のための最大のコミュニティであるGen Z VCsの創設者・CEOだ。多くのフォロワーを持つクリエイターでもあり、「Z世代VCの女王」「Z世代の囁き」とも知られている。企業文化を従業員の価値観と一致させ、従業員がイニシアチブを取れるようにすることの重要性を語った。
公平性・透明性を重んじ、Z世代は難しい質問をすることを恐れない
企業やリーダーに持続可能性を求め、言動が矛盾しているとTikTokなどで批判する。透明性のある給与プラン、株式数のポイント数、評価額、すべてを完全に透明化する企業が好まれる。価値観について話し合う。誰かから公平性を奪うことを許容しない。
Z世代は柔軟に・リモート環境で働きたい
Z世代はオフィスとリモートによるハイブリッド型か、リモートワークを好む人が多い。しかし、多くの企業が大都市に豪華なオフィスを構えているため、オフィス勤務を義務付けている若い従業員は疑問を抱いています。
ポートフォリオ・キャリアを築く世代
ひとつの職場に長く定義されることはなく、複数の顔・肩書・副業・フルタイムを持ちながら、複数の収入源で人生を送りたい。
ビジネス用SNS「LinkedIn」で、いくつものキャリアが並ぶポートフォリオを作りたがる。この変化を受け入れることができる企業は、若い人にとって働きやすい企業だ。
朝から夜まで働く伝統に疑問を抱く
9時から21時まで働いて、一社に貢献することに、「おかしい」と言う勇気を持っている。ハッスル文化に賛同しない。8時間労働に「違和感」を感じる人はこれまでもいたけれど、声にしなかった。
1日を、「労働・自分・就寝」に各8時間を割り当てるデンマークの「888」でさえ、長く感じる。9時から6時まで週6日というアジアの「966」なんて、もってのほかだ。
「よくぞ言ってくれた!」と、他の世代が心の中で思うような違和感を口にする世代だ。
Z世代は怠け者ではない
単に活動的・選択的であるだけで、対面ではない。むしろ企業こそが新たな文化シフトに適応しなければいけない。朝から夕方まで、意味のない会議に座っていたくない。「私たちは1日22時間も走らない。そうすると、やがて疲れて、ケガをするから」
Z世代は多様性に溢れている
似ている部分もある世代だが、一律のモデルを全員に適用することはできない
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執筆後記
世代が求める柔軟性、透明性、公平性を理解し、受け入れることが、企業が持続可能な成長を遂げる鍵となるだろう。変化を恐れず、「怠慢な世代」とラベルを貼るのではなく、ともに新しい労働文化を築いていkおうとする企業に、優秀な人材は集まる。
若い世代・女性で投資や企業に関心があり、ロールモデルを探しているなら、Meagan Loystさんはその候補リストにお勧めだ。さらに詳しく知りたい人は、フィンランドのスタートアップの祭典「Slush」での講演動画(英語)も見てみよう