なぜそんな姿に..。取材中「社長の豪邸」でいきなり出された「謎のレトルトカレー」の正体(藤沢市)
藤沢の農家さんシリーズ第13弾。
今回は、湘南の温暖な気候を利用し「自然本来の味わい」のトマトを育てる農園『井出トマト農園(藤沢市宮原)』へうかがい、代表の井出寿利さんにお話をお聞きしました。
13種以上の生鮮トマトの栽培・販売のほか、自家農園のトマトを活かしたこだわりのトマトジュースやケチャップ、カレーなども販売する『井出トマト農園』。農園の敷地内に設けられた直売所では、一年を通して多種多様のトマト商品が購入できます。
ちょうど今の季節はトマトを植え付けたばかりということで、「直売所で販売する加工品についての取材企画書」をお渡ししてあったのですが…
農園のお話をかんたんにお聞きした後、「よかったら、続きはぜひ自宅で!」という流れになり、井出さんのご自宅へお邪魔することに…。
ご自宅の全貌を紹介できないのがとても悔やまれますが、まるで美術館のようなすごい豪邸。ダイニングテーブルには、富豪の象徴「生ハム原木」が鎮座し、お庭はキャンプもできる広さです。そんな豪邸のリビングに通され、まずは『井出トマト農園』の看板商品「大玉トマトジュース(720ml/1,400円)」で乾杯。
社長を目の前にしていただく「大玉トマトジュース」。そのお味は…
大変美味しゅうございます(念のため申し添えておきますが、けして義務で言っているわけではありません)。
想像よりもはるかにさっぱり。非常にさらっとしたみずみずしい口あたりで、酸味と甘さのバランスも◎。朝イチでも爽やかに飲めるトマトジュースです。
井出さんは「私たちは『トマト』という食材を通して『安心安全な食の大切さ』を第一に考えます。農薬が人の体に及ぼす害は小さなものではないため、農薬は節度を持って使い、できれば使うのを抑えたい。そのため『自然の力を最大限に活かした低農薬栽培』に取り組み、加工品においても極力無添加にこだわって製造販売しています」と話します。
そんな深~いお話をしながら、突然お鍋で何かを温め始めた井出さん。ごはんを盛り付けたプレートを持ってきて、おもむろに「レトルトカレー」をかけ始めました。
「社長の豪邸」で「レトルトカレー」というなんともミスマッチでカオスな現場。しかもそのパッケージは、失礼ながらどう見ても高級そうには感じないシンプルなものです。果たしてこれは一体…。
「この商品は、開発までに100箱のレトルトカレーを食べて味を追い求めた、当園自慢の『トマトビーフカレー(540円)』です」と切り出す井出さん。「材料にたっぷりと使用しているトマトピューレには、熱で壊れることのない『ミネラル』が豊富に含まれます。さまざまな臓器が機能を発揮するのに大きな役割を果たす『ミネラル』は、元気な毎日を過ごすためにも必要不可欠な栄養素と言えますよね!」と続けます。
…なるほど、そういうカレーでしたか。
しかし100箱も食して開発した1パック500円超えのレトルトカレーにしては、農園ブランドをバッチリデザインした箱もなく、アルミパウチは無印であまりにも寂し過ぎます。なぜそんなお姿に…。
「中身にお金をかけた結果です。パッケージにまでお金をかけたら、商品価格がさらに高くなってしまうでしょう?」と井出さん。商品価格の内訳も教えてもらいましたが、本当にギリギリの価格設定。今の値段を維持するため、直接販売以外の販路にあまり力を入れていないのだとか。笑
そんな経緯で「中身に力を注いだトマトビーフカレー」は、しっかりとした形を残す根菜や角切りの牛肉がゴロゴロとぜいたくに入っています。
では、自信で満ち溢れた笑みを浮かべる井出さんを背景に「トマトビーフカレー」を試食させていただきます。
3分後…
試食のつもりが完食。しみじみ美味しい。笑
カレー自体は子どもでも食べられる辛さ。一般的なレトルトカレーと比較するととてもライトな口あたりで、角のないまろやかな酸味のなかに濃縮されたトマトの旨みがギュッと詰まったフレッシュな味わいです。これは「重たいカレーが苦手」という方にとてもオススメ。
…と、食レポのメモを取っていたら、またキッチンへ向かう井出さん。
何でもペロリと食べる私に、「キユーピー3分クッキング」並みの手際の良さで、さらに2品もお料理を作ってくれました。
まずは写真左の「一般的な野菜炒め」ですが、こちらは定食屋さんで食べる美味しい野菜炒めそのもの(本当にお料理上手な井出さん)。続いて『井出トマト農園』の「トマトケチャップ」をひとさじ加えた「野菜炒め」も食べてみると…これが段違いに旨い。まるで高度な調理技術でも使ったかのようなコクと深みが出ています(大げさかもしれませんが、かなりの衝撃でした)。「この味は...?!」と固まる私に「完熟した大玉トマトを6時間かけて煮詰め凝縮させた当園の『トマトケチャップ』をちょっと加えただけです。『トマトケチャップ』の概念が変わるでしょ?」とニンマリする井出さん。この時の私は、生まれて初めて「トマトケチャップ」というものを食べた時の顔をしていたに違いありません。笑
藤沢の農家さんシリーズで「畑」ではなくまさかの「社長宅訪問」となった今回。記事の中で実食レポートした「大玉トマトジュース」「トマトビーフカレー」「トマトケチャップ」は、すべて直売所での購入が可能です。
また『井出トマト農園』では「トマト狩り(収穫体験)」や「トマトフィールド(自然体験)」などのアクティビティにも力を入れています。詳細は公式ホームページ(外部リンク)に書かれていますので、こちらもあわせてチェックしてみてくださいね。
以上、本日は『井出トマト農園(社長宅)』よりお届けしました!
※記事内の商品価格は「農園内の直売所価格」です。
基本情報
店名:井出トマト農園(直売所)
住所:藤沢市宮原2498(直売所)/藤沢市宮原2420(井出トマト農園)
アクセス:圏央道「寒川北IC」より5分、小田急線「海老名駅」小田急線「湘南台駅」などから車で15分~20分
電話:0466-65-0719
駐車場:有り
公式 ホームページ(外部リンク)
公式 Instagram(外部リンク)
詳細は『井出トマト農園』の公式サイトをご確認ください。
取材・撮影・校正協力 井出トマト農園 井出様
※井出トマト農園様のご協力により、撮影用商品を無償でご用意いただきました。この場をお借りして、心より御礼申し上げます。
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