「保守VSリベラル」。思想(イデオロギー)対決による政治は日本に向かない?
先日の都議選で都民ファーストの会が受け皿になり自民党が敗北したことを受けて、自由党の小沢代表は次期衆院選において野党勢力が結集して小選挙区の候補者を一本化するとともに、比例代表で統一名簿を作成する「オリーブの木構想」を実現すべきだと訴えたそうです。
ここでいう野党勢力というのは民進党、日本共産党、社民党、自由党、野党系無所属ということでしょうか。
確かに都議選は都民ファーストの会が圧勝でした。しかし、それは都議選の直前になって自民党の不祥事が次から次へと表に出てきて、その不満の受け皿が都民ファーストの会だったということでした。
小沢代表は国政選挙でも同じように自民党の不祥事が次から次へと表に出てくれば、その不満の受け皿に「オリーブの木」の野党勢力が圧勝できると言いたいのでしょうか。
都民ファーストの会が国政進出
しかし、都議選後に若狭勝衆院議員は都民ファーストの会が国政に進出することを示唆しています。また小池新党で気になるところは「国政政党を結成した場合に安倍政権と憲法改正で連携する可能性」について言及したことです。
7/19には都民ファーストの会を支援していた無所属の長島昭久衆院議員と松沢成文参院議員が「次期衆院選に向けて『反自民』の受け皿となる新党を結成する必要があるとの認識で一致した」との報道もありました。また、民進党の前原誠司衆院議員も政界再編に意欲を示すなど安倍政権の支持率低下や次期衆院選を見据えた「反自民の受け皿」を巡っての主導権争いも活発化してきているようです。
過去には「保守VS保守」二大政党の可能性も
もう20年以上も昔の話になりますが過去には自民党VS新進党という「保守VS保守」による二大政党構想がありました。当時の自民党には社民党と新党さきがけが連立し、新進党には公明党が入っていて、第三極には旧民主党がいてとなんとなくバランスが良かったなと思っています。新進党の党首は現在の自由党の小沢代表でしたが、結局3年くらいで分裂してしまいました。
もともと1996年に社会党と新党さきがけが合併して発足した旧民主党はリベラル・中道左派の政党としてスタートしましたが、その後に新進党勢力の合流、自由党(1998-2003)の合流、さらには維新の党の合流で党名を民進党に改称と様々な保守勢力が集まってきました。
1996年の衆院選挙の結果を見ると議席数500のうち、自民党は239議席、新進党は156議席、旧民主党は52議席、共産党は26議席、社民党が15議席などとなっています。この選挙結果や今回の都議選からも分かるように有権者側は「反自民の受け皿」がリベラルかどうかにこだわっているわけではないようです。
今後、小池新党がどうなるのか、政界再編や野党共闘など気になるポイントはたくさんありますが、そろそろこれからの日本や世界の政治情勢を踏まえて冷静な議論ができる環境を作って欲しいと思います。