タイガー・ウッズに新コーチ?「友のコーチ」を「臨時コーチ」に携え、通算81勝目なるか!?
タイガー・ウッズの「第5のメジャー」制覇に期待が高まっている。
フロリダ州の名コース、TPCソーグラスで開催されるプレーヤーズ選手権(3月14日~17日)は、米PGAツアーの旗印的な大会であり、「第5のメジャー」と呼ばれるビッグ大会だ。
ウッズは前週のアーノルド・パーマー招待を首痛を理由に急きょ欠場したため、プレーヤーズ選手権の出場可否が取り沙汰されていた。だが、笑顔で現地入りし、「強い味方」から入念なパット指導を受けたウッズは「パットも体も、とてもいい感じ」と好調ぶりをアピールしており、通算81勝目に期待が集まっている。
【「新コーチ」登場!?】
2019年のウッズは1月のファーマーズ・インシュアランス・オープンから始動して20位タイになり、2戦目のジェネシス・オープンは15位タイ、3戦目のメキシコ選手権は10位タイ。
「出るたびに僕の順位は徐々に上がっている」
その言葉通り、確かに順位は着実に上向いているのだが、懸念されていたのはパットだった。ジェネシス・オープンでは最終ラウンドだけで3パットが4回、メキシコ選手権では4日間で3パットが6回とグリーン上で苦しみ、「パットの不調を解消できない限り、勝利は遠ざかるばかりだ」と米メディアは囁き合っていた。
そんな状況の中で明かされた首痛はメキシコ選手権のときに発症したものだったそうで、首から背中にかけてテーピングを施して試合に臨んでいたが、その翌週のパーマー招待は大事を取って欠場した。
しばしの休養を経て、今週月曜日(11日)にプレーヤーズ選手権の会場にやってきたウッズは、待ち構えていた米メディアに笑顔で声をかけた。
そして、ある人物と何時間もパット練習に取り組み、米メディアは「タイガー・ウッズに新コーチ登場!?」と銘打った記事を次々に発信した。
【ウッズの変化を見てきた人物】
「新コーチ」と言っても、まだ正式なコーチ契約を結んだわけではなく、ウッズの技術全般を見ているわけでもない。今は、あくまでもパットのみを、あくまでも試験的にチェックし、指導しているそうだが、この人物、実を言えば、別の選手の正式なコーチなのだ。
「ウッズの新コーチ」と謡われたこの人物はケンタッキー州出身のゴルフインストラクター、マット・キーレン。同州出身選手のジャスティン・トーマスの正式なコーチであり、やはり同州出身のJB・ホームズなど数名の米ツアー選手の指導も請け負っている。
ウッズとトーマスは現在はどちらもフロリダ州ジュピターに自宅を構えている「ご近所さん」どうしで大の仲良し。2人は昨年もしばしば一緒に練習ラウンドしており、そのころからウッズはトーマスに伴っていたキーレンと親しくなっていた。
4度目の腰の手術後、試合慣れしながら復活優勝へと前進していったウッズの諸々の「変化」も、トーマスの傍らにいたキーレンは、つぶさに眺めてきた。そんなキーレンの「目」は、ウッズにとって好都合であり、信頼もおけるということなのだろう。
以後、「キーレンがウッズに呼ばれてフロリダ入りしたこともあった」という目撃談も出てきているが、試合会場でウッズがキーレンの指導を受けたのは今回が初めてだった。
それだけウッズがパットの不調に危機感を感じていたのか、それともウッズのキーレンへの信頼や期待が膨らんでいるということなのか。ともあれ、会見に臨んだウッズはすこぶる上機嫌な様子を見せた。
「マットにいくつかのポイントを修正してもらい、とてもいい感じになっている」
さらにウッズは「首痛が出てきたら、パットが不調になった」と語り、巷に広がるイップス説を否定。首痛が治れば、パットも向上するはずだと言いたげである。
「今はスイング同様、パットのストロークもうまくコントロールできている。パットも体も、いい感じだ」
パットのみの臨時コーチとはいえ、ウッズが「コーチ」に指導を仰ぐのは、2017年終盤に当時のコーチだったクリス・コモとの関係を解消して以来のこと。その判断が功を奏し、今週のプレーヤーズ選手権で通算81勝目を挙げることはできるだろうか。
ウッズの動向に世界のゴルフ界の注目と期待が集まっている。