宗教改革から500年後のドイツ、ロボット牧師 「BlessU-2」登場
今から500年前の1517年にルターはローマ教会に抗議し、ヴィッテンベルク市の教会で95ヶ条の論題をぶつけた。これが、一般に宗教改革の始まりと言われている。宗教改革から今年で500年だが、そのヴィッテンベルク市で「BlessU-2」と名付けられたロボット牧師が登場した。ドイツ福音主義協会に加盟するヘッセン・ナッサウ福音主義教会が開発。
「街の人よりも教会内部の方が批判的」
ロボットの胸にあるタッチパネルを操作すると福音の言葉を述べる。ドイツ語だけでなく英語、フランス語、スペイン語、ポーランド語に対応し、男女の声の選択も可能。またロボット牧師は両腕を上げて祈り、手から光線が発せられる。ロボット牧師が唱えた祈りの内容がプリントアウトされて、持ち帰ることができる。
開発を担当したヘッセン・ナッサウ福音主義教会のStephan Krebs氏は「人間が必要な時に、ロボットが祝福できるかどうか考えてほしい。この取組は議論を引き起こすでしょう。街の人々は興味を持っており、非常に好意的です。しかし、教会の内部には、牧師の仕事をロボットに取られると『ロボット牧師』に対して否定的な態度を取る人もいます。むしろ教会内部の方が批判的です」とコメント。さらに「我々は教会での牧師の仕事をロボット化したいとは考えていない。だがロボットに神学的な行為ができるかどうかを見続けていきたい」と語っている。
現時点ではロボット牧師ができることは祈りを唱えることだ。人々の懺悔を聞いて、それに応えるといったインタラクティブなやり取りはまだできない。近い将来、人工知能が発達してくると、ロボット牧師が人々の懺悔を聞き、正しい導きをしてくれるようになるかもしれない。むしろロボットに対しての方が悩みを打ち明けやすい人もいるだろう。新たな宗教改革の始まりだ。
以下に動画もあるので、実際の様子もつかめる。表情も豊かだ。
ロボット牧師は英語にも対応している。