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オートバイのあれこれ『“ケルンの衝撃”をも上回る!?』

Rotti.モトエンスー(moto enthusiast)

全国1,000万人のバイク好きたちへ送るこのコーナー。

今日は『“ケルンの衝撃”をも上回る!?』をテーマにお話ししようと思います。

「スズキの衝撃的なオートバイ」と聞いて、みなさんはまず何を思い浮かべるでしょうか。

おそらくは「カタナ!」と答える人が最も多いことでしょう。

▲GSX1100S KATANA〈1981/画像引用元:スズキ〉
▲GSX1100S KATANA〈1981/画像引用元:スズキ〉

たしかに「カタナ」こと『GSX1100S KATANA』は、デビュー時にその斬新(奇抜?)すぎるスタイリングで世間の度肝を抜きました。

デビューから40年以上が経った今も、その独特なフォルムは見ていて飽きないほどですね。

ただスズキには、このカタナにも全く劣らない、かなり攻めたスタイルのオートバイが他にありました。

GSX400X インパルス』です!

▲GSX400X Impulse〈1986/画像引用元:スズキ〉
▲GSX400X Impulse〈1986/画像引用元:スズキ〉

もう言葉で説明するより、上の画像を見てもらったほうが早いでしょうね。

何より強烈なのが、朱色のフレーム。

デビュー時(1986年)にはGSX400Xのことを「東京タワー」なんて茶化していた人も少なくなかったようですが、たしかにこのフレームは東京タワーの鉄骨部分に似ている気がします。

▲「東京タワー」と呼びたくなる気持ちもなんとなく分かるフレーム形状
▲「東京タワー」と呼びたくなる気持ちもなんとなく分かるフレーム形状

80年代のスズキは1100カタナに始まり、初のレプリカモデル『RG250ガンマ』を作ったり、油冷エンジンを開発したりと、他のどのメーカーよりも攻めの姿勢を貫いていたわけですが、その“攻め”がデザイン面に映し出されたのが、このGSX400Xだったといっていいかもしれません。

そしてまた、GSX400Xのパワーユニットにもスズキの攻勢は息づいていました。

エンジン形式自体はオーソドックスな4スト並列4気筒なのですが、何とその冷却方式が水冷・油冷・空冷の3つを織り混ぜたハイブリッド方式だったのです!

最も熱を持つエンジンヘッドは水冷、シリンダーは空冷、そして腰下(クランクシャフト等)は油冷となっており、スズキはこのシステムを『SATCS(SUZUKI Advanced Three-way Cooling System)』と名付けていました。

何とも複雑というか、お金がかかっていそうというか…、いかにも当時っぽいバブリーなメカニズムに思えますね。

当時はレプリカブーム最盛期で、ネイキッドスタイルのGSX400Xはあまり人気が出ませんでしたが、存在感という点では同時代の他のオートバイに全く劣っていなかったでしょう。

GSX400Xはまさに、“IMPULSE(=衝撃)”なオートバイだったと言えます。

モトエンスー(moto enthusiast)

バイクを楽しむライター。バイク歴15年で乗り継いだ愛車は10台以上。ツーリング/モータースポーツ、オンロード/オフロード、最新バイク/絶版バイク問わず、バイクにまつわることは全部好き。

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