ジャガイモの食中毒にご用心
手頃な価格で美味しくてお腹も満足させてくれる素晴らしい農作物であるジャガイモですが、残念ながら毎年のようにジャガイモが原因の食中毒がニュースで流れている現状です。
ジャガイモの芽には毒がある、ということはほとんどの大人が知っているはずですが、どうして繰り返してしまうのでしょうか。難しいことは置いておき、これさえ守れば大丈夫なジャガイモを安全に食べるコツをお伝えしたいと思います。
■ジャガイモの毒
ジャガイモの有毒成分は「ソラニン」と「チャコニン」という糖アルカロイドと呼ばれる物質です。体重が50 kgの人ではソラニンを50 mg以上食べると中毒を起こすおそれがあるとされ、体の小さな子どもが中毒を起こしやすいのはそのためです。ソラニンは芽に含まれていることはよく知られていますが、緑色になった皮や傷のついた皮にもソラニンが多いこともおぼえておいてください。
■食べる時にはこれを守れば大丈夫
心得1:皮が緑になっていない傷の少ないきれいで大きさのそろったイモを選ぶ
極端に小さな未熟なイモもソラニンが多いので、安売りだからと不揃いなイモを選ぶのはおすすめできません。学校の菜園などでは小さなイモが良くできますが、もったいないからと食べてしまうことが多いのも食中毒が起こりやすい原因と考えています。
心得2:芽は大きくとり、皮はむく
安全が第一ですので、皮を食べないのが基本です。食べる場合には傷のないきれいなイモを選びます。
心得3:子どもには皮を食べさせない
これは守ってください。新ジャガを茹でて薄く皮をむくような料理も控えましょう。
心得4:苦い味がしたら食べない
ソラニンなどの糖アルカロイドは苦味があります。ジャガイモを食べて苦いと思ったら食べるのをやめましょう。子どもにも苦い味を感じたら吐き出すように伝えます。
基本的にこれだけを守ればほとんどのジャガイモ食中毒は防げると思います。小さな子どものいる家庭では特に気をつけてほしいと思います。
ジャガイモは冷蔵庫で保存すると長持ちしないため、ついつい出しっぱなしになっている家庭もあると思いますが、保存する時には光が当たらない乾燥した涼しい場所に保管します。保存のきく食べ物ですのでついつい使うのを後回しにしがちですが、食品ロスも防ぐためにも早めに使い切るようにしたいものです。