漸減する事故死者数…年齢階層別の交通事故死者数の実情をさぐる(2023年公開版)
警察庁は2023年3月に2022年中の交通事故の状況を精査した報告書「令和4年における交通事故の発生状況などについて」を公開した。これを基に年齢階層別の交通事故による死者数の実情を確認する。
まずは積み上げ式と個々の年齢階層の値の動きを折れ線グラフにした、年齢階層別事故死者数の推移。これは「事故発生から24時間以内に死亡した人」に限定している。また、直近年に関しては実数値のグラフも作成した。
全体数が減少の傾向を見せている一方で、紫系統色の階層にあたる高齢者(65歳以上)の部分が他の年齢階層と比べると縮み方が緩やか(=人数があまり減っていない)なように見える。高齢者人口そのものが増加しているのに加え、高齢者の対人口比交通事故死者数が高い値を示しているのが、この高齢者の減少率が緩やか、さらには増加している原因。
そこで今度はこれらの動向について、各年毎の交通事故死者数全体に占める割合でグラフにしたのが次の図。一つが棒グラフで、各年ごとに占める割合が分かりやすいように、もう一つは折れ線グラフで、各年齢層毎の割合の変化を見易くしたもの。後者のグラフでは全階層を掲載すると見難くなるため、対象年齢階層を限定して表記している。
ここ数年の傾向として、死者「数」は(最初のグラフにある通り)各年齢層で減少しているが、高齢層では減り方がおだやか、時として増加の動きすら見せるため、全体に対する比率では逆に増えてしまっている。特に80歳以上では増加の一途をたどっている。
2022年における全交通事故死者のうち65歳以上の比率は56.4%。これまでの公開データの中では最高値だった2021年における57.7%にはおよばないものの、過去2番目に大きな値となった。この値は今後もさらに増加していくことだろう。
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(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。
(注)「(大)震災」は特記や詳細表記のない限り、東日本大震災を意味します。
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