ウクライナ軍の神風ドローンがロシア軍の中国DJI製監視ドローンに上空で突っ込んで爆破:レアな動画公開
上空でドローンが上から体当たりで撃破することはよくあるがレアな神風ドローンによるドローン攻撃
2023年5月にウクライナ軍の神風ドローンが、ウクライナのドネツク上空で、ロシア軍の監視ドローンで中国DJI社製の「Matrice 30」を発見。ウクライナ軍の神風ドローンがロシア軍の監視ドローン「Matrice 30」に突っ込んでいき撃破していた。FPV(ファースト・パーソン・ビュー)で動画を撮影しており、ウクライナ兵がロシアやウクライナで多く使用されているSNSテレグラムに投稿していた。
2022年2月にロシア軍がウクライナに侵攻。ロシア軍によるウクライナへの攻撃やウクライナ軍によるロシア軍侵攻阻止のために、攻撃用の軍事ドローンが多く活用されている。また民生品ドローンも監視・偵察のために両軍によって多く使用されている。そして両軍でドローンの撃墜が繰り返されている。
上空のドローンを迎撃するのは、電波を妨害(ジャミング)してドローンの機能を停止させるいわゆる"ソフトキル(soft kill)"と、対空機関砲のように上空のドローンを爆破させる、いわゆる"ハードキル(hard kill)"がある。両方とも地上にいる兵士が上空のドローンを迎撃している。通常は地上にいる兵士が迎撃して破壊したり機能停止させたりしている。
たまに上空で監視ドローンが上から体当たりしてドローンを撃墜することはある。ドローンでの体当たりの勝負は上を飛んでいる方が優位である。ドローンは地上の様子を偵察するためにカメラを搭載しているが、地上(つまり下)しか見ていない。ドローンの上部にはカメラがないため、自分よりも上にいるドローンなどには気が付かない。そのため少しでも上にいる方が優位で、上から体当たりして落下させることができる。ただし、上空で体当たりして自分のドローンも一緒に壊れてしまったり落下してしまうこともある。
だが神風ドローンが監視ドローンに突っ込んでいき爆発させるのは珍しい。ロシア軍もウクライナ軍も標的に突っ込んでいき爆発する神風ドローンを多く使用している。だが神風ドローンの標的のほとんどが地上にあるロシア軍の戦車や監視タワー、軍事施設や塹壕などである。このように上空を飛行している監視ドローンに神風ドローンが突っ込んでいき、その動画が公開されるのはレアである。
ウクライナ政府は現在、世界中の市民に寄付を呼びかけて大量に神風ドローンを調達して、ロシア軍を攻撃している。
ウクライナ紛争では、監視・偵察目的の民生品ドローンに小型爆弾や手りゅう弾を搭載して敵軍を発見したら爆弾を落として攻撃も行っている。監視・偵察ドローンは上空からの目として戦場では敵軍の動向を監視するために24時間常に飛行している。そして敵軍を探知したらミサイルで攻撃を行ったり、ドローンから爆弾を投下したりしている。そのため戦場では上空を飛行している監視・偵察ドローンや小型の民生品ドローンは敵軍に探知されたらすぐに機能停止させられたり、破壊されたりしてしまう。地上の兵士が探知できなかったり、上空で監視ドローンが敵軍のドローンを見つけた場合は、上から体当たりして撃墜したり、突っ込んでいき破壊してしまった方が効率的である。
敵軍のドローンは監視用であれ、攻撃用であれ発見したらすぐに破壊するか機能停止させた方が良い。上空で敵軍のドローンを見つけたら、敵軍のドローンの上に回って不意討ちして落下させる方法もある。
▼ウクライナ軍の神風ドローンがロシア軍の監視ドローン「Matrice 30」に突っ込んでいき爆発(2023年5月)
▼ウクライナ軍の監視ドローン「Mavic」がロシア軍の監視ドローン「Matrice 300 RTK」を上空で体当たりして撃墜(2023年5月)
▼ウクライナ軍の監視ドローンがロシア軍の監視ドローンを上空で体当たりして落下(2023年4月)
▼ウクライナ軍のドローンがロシア軍のドローンを上空で撃破(2022年11月)
▼神風ドローン調達のために寄付を呼びかけるウクライナ政府