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売上が最大化!!年間MD計画表のつくり方

三ツ井創太郎飲食店コンサルティング(株)スリーウェルマネジメント代表
(筆者作成)

飲食店コンサルティング会社スリーウェルマネジメント代表コンサルタントの三ツ井創太郎です。

前回のコラムでは、集客サイクル構築事例についてお話をさせて頂きました。

今回のコラムでは、年間MD計画が作れる5つのポイントについてお話をさせて頂きます。

なお、今回の内容はYouTubeチャンネルでも解説していますので、よろしければ下記よりご覧ください。

(筆者作成)

年間MD計画表作成の5つのポイント

前回お話しした年間集客サイクルを意識した上で、年間の具体的な販売戦略を構築していくのが「年間MD計画表」です。

この年間MD計画表を作成する上では、次の5つのポイントが重要になります。

①数値計画

最初に考えていくのが数値計画です。年間MD計画表とは、お客様にお店の取り組みを計画的に配信することで、集客・売上の最大化を図ることが目的です。そのために、まずしっかりとした数値計画(売上計画)立てていきます。

②マーケットニーズ

次に考えていくのは、年間を通じたマーケットニーズ=オケージョンです。例えば、繁華街であれば3月、4月は歓送迎会需要、郊外店であれば7月~8月は夏休み需要といった季節ごとのニーズがあります。まずはこれらを年間カレンダーに落とし込んでいくことが重要です。

ただ、こうした一般的なマーケットニーズは当然ながら競合が多いので、自社ならではのターゲットとそのニーズを盛り込むことができるとかなり効果が期待できます。当社ご支援先では、地元の企業や学校の行事を全て調べ上げ、「地域ニーズ」を取り込むことで圧倒的な集客を実現している事例もあります。

(筆者作成)
(筆者作成)

③メニュー計画

【グランドメニュー】

グラインドメニューリニューアルのタイミングも、年間を通じて決定しておきます。グランドメニュー変更には大きなコストがかかります。このコストとは「時間コスト」「オペレーション構築(見直し)コスト」「ロスコスト」「備品コスト」です。こうしたことを踏まえた上で、繁忙期をずらす等の対策も考えておく必要があります。

【宴会&コースメニュー】

季節宴会&コースといった需要に対するメニューの開始と終了日を決定しておきます。アルコール業態であれば、宴会&コースカテゴリー売上は年間を通じて大きなシェアとなるため、しっかりとした計画が重要となります。

なお、コロナ禍の中では大人数の宴会需要が減少してしまったため、部署や仲間内といった少人数プランの需要が高まりました。コロナ禍は特殊な事例ではありますが、こうした時代のニーズを意識したコース設定も重要です。ただ、こうしたニーズ対応型コースは開発に時間がかかるのと、通年とは違ったオペレーションになるため、事前にしっかりと準備を行うことが重要です。

【シーズンメニュー】

一般的には「季節のおすすめ」に分類される商品です。こちらはあまりコストがかからないよう「手書き」や「POP」で訴求していく流れとなります。

なお、シーズンメニューに関しては「やってはいるけど出数などの数値はとってない」というお店も少なくありませんが、シーズンメニューの販売データは翌年以降のマーケティング戦略を考える上ではとても重要な指数となりますので、必ずデータを取るようにして下さい。

さらに、シーズンメニューは様々な販促媒体で使えるコンテンツとなるため、シーズンメニューにしっかりと取り組むことはマーケティング視点でも重要となります。

(写真:Photo AC)
(写真:Photo AC)

④販促・告知計画

①~③が決定した上で、これらを「いつ」「誰に」「何の媒体に」「いくら使って」販促していくのかを、MD計画表に落とし込んでいきます。何よりも大切なのは、まずは「商品戦略」をしっかりと固めることです。「販促のための販促」では意味がありません。繰り返しますが、商品力の低い商品を販促することは「お金をかけて”不満足”を宣伝している」のと同じです。

⑤効果測定

④で実施した販促に関して、CPO(Cost Per Order=コスト・パー・オーダー)分析で効果測定をしていきます。これにより自社ならではのMDノウハウを蓄積していきます。MD計画は初年度はどうしても「産みの苦しみ」がありますが、こうしたノウハウは必ず企業の財産となります。

なお、販売促進の効果測定を行う上では下記データを活用します。

(1)販促誘因売上

「その販促をしたことで来店したお客様が使った合計金額」のことです。具体的に言うと、販促クーポンを持参されたお客様のテーブルの合計売上です。(同伴客の売上も誘因売上として計上)

(2)販促誘因客数

「その販促をしたことで来店したお客様の合計人数」のことです。具体的に言うと、販促クーポンを持参されたお客様のテーブルの合計人数です。(同伴客も誘因人数として計上)

(3)販促経費

その販促を実施するためにかかった経費です。

(4)1名獲得単価

別名CPO(コスト・パー・オーダー)とも言われますが、その販促でお客様1名を獲得するためにかかった費用です。具体的には、「販促経費÷販促誘因客数」で割り出します。

このように、年間の販促計画をしっかりと立て、その販促の実績をしっかりと集計し次の販促計画に活かしていく。こうしたPDCAサイクル(品質管理など業務管理における継続的な改善方法)を構築していくことで、売上アップの仕組み化を実現することが可能になります。

最後までお読み頂きありがとうございました。

(筆者作成)

<筆者プロフィール>

飲食店コンサルティング会社スリーウェルマネジメント

代表取締役 三ツ井創太郎

https://www.threewell.co/business

飲食店コンサルティング(株)スリーウェルマネジメント代表

㈳日本フードビジネス経営協会代表理事。飲食企業で店長、SV、事業統括の経験を経た後、2011年に東証一部上場のコンサル会社である(株)船井総合研究所に入社。飲食コンサルティング部門のリーダーとして数多くの飲食店支援を行う。2016年飲食店特化のコンサルティング会社(株)スリーウェルマネジメントを設立。「飲食店オーナー様に徹底的に親身なサポートを!」を理念に、個人店から大手チェーンまで日本全国の飲食店へ支援を行う傍ら、テレビのコメンテーターや行政、金融機関と一体となった飲食店支援も行う。著書「V字回復を実現する! あたらしい飲食店経営35の繁盛法則 」はアマゾンの外食本ランキングで1位を獲得。

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