日本代表の室屋成がドイツ2部ハノーファー移籍。橋本拳人に続き、主力が抜けるFC東京のチーム編成は?
日本代表DFの室屋成がドイツ2部のハノーファー96に移籍することが決定しました。
室屋はFC東京の公式サイトを通じて以下の通りコメントしています。
「はじめにFC東京の選手として約4年半、最高のファン・サポーターの前でプレーできたことを誇りに思います。勝利してともに喜び、負けた試合の後も必ず最後はトーキョーコールで声援を送ってくれたファン・サポーターのみなさんの想いや愛情はどこに行っても絶対に忘れません。僕からみなさんにタイトルをプレゼントできなかったことが唯一の心残りですが、東京なら必ずタイトルを獲得できると信じています。クラブの理解とサポートもあり、東京での経験を糧にチャレンジしてきます。これからも応援よろしくお願いします。最高の時間をありがとうございました!」(FC東京)
リリースの通り、名古屋グランパスとのホームゲームがFC東京でのラストマッチになります。
青森山田から明治大学に進み、在学中に特別指定選手としてFC東京に在籍。2016年に大学サッカー部を退部して正式加入すると、直後のけがに苦しみましたが、徳永悠平とのポジション争いなどで大きく成長し、右サイドバックのレギュラーに定着すると2017年12月、”ハリルジャパン”だった日本代表に選出されました。
ハノーファーは原口元気も所属しているドイツの伝統あるクラブで、かつては酒井宏樹も在籍。現在は2部ですが1部の実績も長く、1991ー92シーズンにはドイツ杯(DFBポカール)を制しています。
これまで何度も移籍の噂がありながら、FC東京でプレーし続けてきた室屋。新型コロナウイルスの影響で難しい時期ですが、26歳という年齢を考えてもチャンスを逃せないという思いはあるかもしれません。
この移籍を受けてFC東京がどう対応していくかですが、すでにロシアのロストフに移籍した橋本拳人の穴埋めもできていない状況なので、ボランチとサイドバックの両方でシーズン中の補強を行うのか、若手を含めた既存の選手に期待をかけるのかが注目されます。
橋本拳人の抜けたボランチに関しては外国人選手のアルトゥールがチームにフィットしてきており、高萩洋次郎と安部柊斗を軸に三田啓貴、試合ごとに存在感を高めている内田宅哉をうまく回しながら平川玲、品田愛斗、センターバックもこなせる鈴木喜丈などの台頭、もちろん怪我で離脱中の東慶悟の復帰に期待する流れは想定できます。
しかし、サイドバックは左右をこなせる大卒ルーキーの中村帆高をはじめ中村拓海、左では主力の小川諒也のほかU-19日本代表候補のバングーナガンデ佳史扶と言ったタレントもいますが、どう考えても過密日程をこなせる駒が足りないので、中盤以上の補強ポイントになりそうです。実はアルトゥールもサイドバックをこなせるのですが、現場は中盤メインで欠かせない存在になっており、コンバートは厳しい状況です。
外国人のベンチメンバー枠は埋まっていますし、基本は基本人選手になるでしょうが、J1レベルのクラブはどこもサイドバックの主力を出したくないはず。何人か所属クラブであまり出番を得られていない実力者もいますが、若手選手との兼ね合いも含めてFC東京がどういう選択をしていくのか、イレギュラーなシーズンである今季と来年以降のプライオリティの置き方も含めて注目したいところです。