「モバイルと動画が絶好調」で広告収入増:Google、これからも動画配信に注力
Alphabetは2016年7月28日、傘下のGoogleの2016年第2四半期(4~6月)の決算を発表した。
Googleの売上90%は広告収入
Alphabetの2016年第2四半期の連結売上高は前年同期比21%増の215億ドルだった。Alphabetの売上の99%以上がGoogleだ。そのGoogleの売上高は前年同期比21%増で213億1,500万ドルだった。そして広告収入は同19%増の191億4,300万ドルで、Googleの売上の90%を占めており、従来からの広告依存のGoogleの売上構造は変わっていない。特にモバイル、動画が順調だった。
Google事業にはGoogleの検索やYouTube、Android、アプリ、クラウド、Google Play、ハードウェアなどが含まれる。特にモバイル検索やYouTube、プログラマティック広告が成長をけん引していることも、最近の決算発表と大きな変化はない。
「それ以外の事業」はGoogle Fiber、Calico、Nest、Verily、GV、Google Capital、Xなど多額の投資が必要な事業だ。売上高は前年同期比150%増の1億8,500万ドルだったが、営業損失も前年同期の6億6,000万ドルから8億5,900万ドルに膨らんでいる。
Googleはますます動画配信に注力
今期の決算を踏まえて、AlphabetのCEOのRuth Porat氏は「何年にもわたって投資してきたモバイルと動画が急速に拡大してきたことが、この素晴らしい収入増につながっている。これからも多くの分野に投資していく」とコメントしている。
モバイルはスマホの世界規模での普及で広告収入にも大きく貢献している。動画もYouTubeがけん引している。もはやモバイルと動画は圧倒的にGoogleが強い。まさに『Google無双』だ。
そのGoogleは2016年7月に動画配信プラットフォームを提供しているAnvatoを買収した。Avantoは顧客にNBC Universal、MSNBC、CBS、Univision、HGTV、Bravo、Fox Sportsなどアメリカの主要メディアを抱えており、クラウドで動画の編集、配信、広告配信や視聴の課金等が可能だ。今後はGoogleのクラウドチームに加入してサービスを提供していき、Avantoの顧客の主要メディアはスマホやタブレット、スマートTV向けに動画を配信していく。
Googleとしては動画配信プラットフォームを提供することによって、その上で多くのメディアが様々な動画コンテンツを提供していくことになる。従来はケーブルテレビや地上波テレビにコンテンツを配信していたが、これからはネットで配信していく方が効率的であり世界規模で有料のコンテンツ配信が可能になる。そこではプラットフォームが重要になってくるが、動画配信でもGoogleがリードしようとしている。