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火の国2番打者がリーグ打点王!元燕コンビ「坂口コーチと同級生中山のおかげ」=独立リーグ・九州アジアL

田尻耕太郎スポーツライター
2番打者ながらリーグ打点王に立つ火の国サラマンダーズ・晴樹内野手

 プロ野球独立リーグ「ヤマエグループ 九州アジアリーグ」が4月30日、福岡県飯塚市の筑豊緑地球場で行われ、北九州下関フェニックスと火の国サラマンダーズが対戦した。

火の国サラマンダーズが7連勝

【4月30日 ヤマエグループ九州アジアリーグ 筑豊緑地球場 355人】

火の国   `100001311 7

北九州下関 `010002011 5

<バッテリー>

【火】宮澤、◯古殿、山口翔、石本、S水野――深草

【北】大江、櫻井、●橋爪、本野、北見、高良、松本――武蔵、田中、霜門

<本塁打>

【北】薮2号

<スタメン>

【火】4瀬井 6晴樹 8小林 Dサンチェス 5仲村 7大崎 9中山 2深草 3柏木

【北】9コウキ 8宇土 6平間 4大河 5中村 D薮 3高橋 2武蔵 7中田

<得点経過>

1回表【火】サンチェス、右前適時打(北0-1火)

2回裏【北】武蔵、中前適時打(北1-1火)

6回表【火】晴樹、左中間適時二塁打(北1-2火)

6回裏【北】薮、左越えの逆転2ラン(北3-2火)

7回表【火】柏木、同点適時打。暴投で勝ち越し。小林、左適時打(北3-5火)

8回表【火】中山、左越えの適時三塁打(北3-6火)

火の国サラマンダーズの中山翔太は昨年まで東京ヤクルトスワローズでプレー
火の国サラマンダーズの中山翔太は昨年まで東京ヤクルトスワローズでプレー

8回裏【北】宮本、中前適時打(北4-6火)

9回表【火】サンチェス、この日2本目のタイムリー(北4-7火)

9回裏【北】大河の適時内野安打で1点返す(北5-7火)

<トピックス>

・火の国サラマンダーズは7連勝。開幕1勝5敗スタートから大きく巻き返し、首位の大分B-リングスに1ゲーム差に迫る。

・古殿は今季3勝目。すべてリリーフ。

・昨年まで広島東洋カープでプレーした山口翔は1回2K無失点。決め球のフォークが冴えた。今季3ホールド目。1回3者凡退は登板7試合目で初。

火の国サラマンダーズの山口翔
火の国サラマンダーズの山口翔

・北九州下関フェニックスは前のゲームで連敗を6で止めるも、連勝ならず借金1に。

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晴樹、5試合連続打点で打点トップ

 火の国サラマンダーズの2番打者、晴樹(中村晴樹)内野手が六回の第3打席でこの日2本目の二塁打を放った。この一打で走者が生還してタイムリーとなった。

 今季13打点目は九州アジアリーグの打点王(2位は大分・内川聖一内野手の11打点)。これで5試合連続打点となり、チーム7連勝のうち6試合で打点を挙げている。

「自分の前の打者が頑張って出塁してくれているおかげです」とはにかむ晴樹は先日27歳となった。「可能性が低いのは分かっている。だけど、目標はNPB球団からのドラフト指名です」

大学卒業後3年間は会社員

 八戸学院大学時代も好選手として知られたが、一度野球から離れて建設関係の仕事に就いた。3年のブランクを経て昨季から火の国サラマンダーズ入りすると、打率.322の好成績を残した。右打ちを得意とするつなぎ役として活躍した。

 しかし、今季は「逆方向へのヒットはまだ1本もない」という。

 現時点で打率.358のハイアベレージを残していることから分かるように、決して強引な打撃をしているわけではない。ただ、意識を変えた。今年からチームの臨時コーチに就任した坂口智隆氏(元東京ヤクルトスワローズ)からの助言が大きいという。

「僕はミートポイントを後ろの方に置いていた。それで右方向へ打っていたんです。だけど坂口コーチからアドバイスをもらい、外角球のポイントを少し投手寄りに変えた。逆に内角は体に近めという意識です」

元ヤクルト坂口コーチの助言

 すると、自然と左中間方向へ強い打球が飛ぶ回数が増えた。坂口コーチからは「打率3割8分以上、本塁打20発以上」とハッパをかけられている。「難しい数字ですけど、それくらいのアピールをしないといけないと思っています」と頷く。

「あと、同級生の中山(翔太)の存在も大きいです。去年までヤクルトにいた彼くらい経験がある選手の練習量を見ると、自分も休めないなと思う」

顔の下半分を布で隠す

 ところで、晴樹は今季、プレー中も布を顔の下半分に巻いてプレーをする。コロナ対策を引き続き行っているのかと思っていたが、違う事情があった。

「いくつか病院を回ったんですけど、紫外線アレルギーを今年突然発症してしまったみたいで」

 当然プレー中は息苦しい。

「だけど、僕はポジティブにとらえるようにしています。顔に布を巻いているのは遠くから見てもすぐわかりますから。活躍すればすぐに見つけてもらえるし、同じ症状で苦しんでいる方もいるかもしれないので、自分が頑張ることで何か感じてもらえれば」

 ファンからの注目度はもちろん、球界では貴重な二遊間を守れる右打者だけにNPB球団スカウトからの視線も活躍を続ければどんどん集まるに違いない。

(※写真はすべて筆者撮影)

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。「Number web」でのコラム連載のほかデイリースポーツ新聞社特約記者も務める。2024年、46歳でホークス取材歴23年に。 また、毎年1月には数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。

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