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夜中のラジオ、どれだけ聴かれているのか

不破雷蔵グラフ化・さぐる ジャーナブロガー 検証・解説者/FP  
↑ 夜の勉強のお供にラジオの深夜番組。昔の話に過ぎないのか

今ではスマートフォンや携帯音楽端末がおかぶを奪う形だが、深夜の勉強や作業のお供に欠かせない存在、ながら視聴の対象がラジオの深夜番組だった。今でも多分に番組に耳を傾けている人はいるはず。その実情をNHK放送文化研究所が2016年2月17日に発表した、2015年国民生活時間調査の公開値から探る。

まずは直近分、2015年における平日・土曜・日曜のラジオ行為者率(ラジオを聴取していた人の割合。今件では調査対象母集団全体に対する割合)。30分おきの動向となっている。

↑ ラジオ行為者率(2015年、曜日別)
↑ ラジオ行為者率(2015年、曜日別)

ラジオは土日よりも平日の方が良く聴かれている。これは今件ラジオ聴取の領域が物理的なラジオ機器以外に、カーラジオはもちろん、らじる★らじる、radiko(ラジコ)経由からの聴取も該当するため。ラジオの種類別動向までは確認できないものの、男性就業者によるカーラジオ聴取が多分に値を底上げしていると考えられる。

また朝食時は上昇する一方で昼食時は逆に減少する、夕食時の上昇が見られないなど、食事とラジオの関係は、常に食事時と連動するテレビとは随分と違う実態も確認できる。

深夜帯の動向だが、日中よりは低めの値を示し、夕食後の減退からさらに値を落とすものの、一定率で聴取が続けられているのが分かる。平日や土曜より日曜のゼロ時以降における深夜帯の行為者率が高いのは、土曜の夜から日曜の朝にかけて夜更かしをしながらラジオを聴いているものと考えられる。日曜は遅く起きることが可能だからだ。ただしそれでも深夜帯の聴取率は1%を切る程度でしかない。

これをデータ取得が可能な2005年・2010年・2015年分につき、曜日毎にその動向を重ねたのが次のグラフ。

↑ ラジオ行為者率(平日)
↑ ラジオ行為者率(平日)
↑ ラジオ行為者率(土曜)
↑ ラジオ行為者率(土曜)
 ↑ ラジオ行為者率(日曜)
↑ ラジオ行為者率(日曜)

大よそ昔ほど聴取率は高く、現代に近づくに連れて聴取率は減少している。平日は通常の人が起床している時間帯の減少が大きく、深夜帯はゼロ時を過ぎるとあまり変わらない。土曜は昼夜を問わず減っている。そして日曜は夕食時やその後の減り方が大きい。特にその日曜の動きに代表されるように、食事時やその後、とりわけ夕食に係わる時間帯の減少が著しく、一家団らんやその後のプライベートな場面におけるラジオの立ち位置が弱くなっていることがうかがえる。

一番古い値となる2005年分を基準とし、2010年と2015年の減退具合を差の%ポイントで示すと、その実情が良くわかる。

↑ ラジオ行為者率(平日)(2005年からの変移)(ppt)
↑ ラジオ行為者率(平日)(2005年からの変移)(ppt)
↑ ラジオ行為者率(土曜)(2005年からの変移)(ppt)
↑ ラジオ行為者率(土曜)(2005年からの変移)(ppt)
↑ ラジオ行為者率(日曜)(2005年からの変移)(ppt)
↑ ラジオ行為者率(日曜)(2005年からの変移)(ppt)

平日は朝食時に大きく下がり、昼食までは減少傾向が続き、夕食時に再び大きく下がる。土曜日はやや波が粗いが朝食時と夕食時前後に大きめの減少、そして日曜は朝食後と夕食時間帯に大きな下げが確認できる。中でも日曜の夕食後の下げ方は注目に値する。

他方、深夜帯の下げ幅はほとんど無い。元々聴いている人が少数なのも一因だが、深夜ラジオを好む人は、この10年ぐらいではさほど変わりがないことになる。

今件はあくまでも10年間・基準年から2回経過したもののみの動向でしかない。傾向だった動きかを判断するのには調査回数の不足は否めないが、調査対象母集団全体≒国民全体におけるラジオの聴取スタイルに、少しずつ変化が生じている、ラジオ離れが進んでいる雰囲気は把握できる。同時に深夜帯はごく少数ではあるが、ラジオを聴いている人は存在することもまた事実に違いない。

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グラフ化・さぐる ジャーナブロガー 検証・解説者/FP  

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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