レクサス新型LSは自動車の新時代を作れるか?
2017年最初のモーターショーとなるアメリカはデトロイトで開催されている北米自動車ショーにおいて、レクサスは同社のフラッグシップモデルである「LS」を、実に11年ぶりにフルモデルチェンジして発表した。
今回のフルモデルチェンジで、レクサスはこのLSにおいて、
●新開発GA-Lプラットフォームにより実現した流麗なクーペシルエット
●運転に集中できるコクピットとゆとりある後席空間が融合したインテリア
●新開発V型6気筒3.5Lツインターボエンジン搭載
●最先端の予防安全パッケージによる安全運転支援
(以上、プレスリリースのまま掲載)
をトピックに挙げている。
それ以上の細かな解説に関しては、プレスリリースを参照にしていただければと思う。
ザッとチェックしてみると、11年ぶりのフルモデルチェンジとなるだけに、相当の意気込みが感じられるモデルとなっている。様々なトピックに関しても、特に安全装備面では自動ブレーキに自動操舵機能を付加して、衝突を避けられない状況での操舵支援まで行うなど意欲的な新技術導入もみられる。
筆者は現地で実車を確認していないので、詳細については分からない。しかしレクサスにとって今回のLSは、自動車の新時代を作れるか否かが問われる存在だという風に考えている。
なぜならレクサスのLSというモデルは、最初に登場した1989年に、トヨタがアメリカにおいてレクサス・ブランドを立ち上げる際の切り札として用意した同ブランドのアイコンそのものであり、実際に登場した後にLSは世界中の高級車と高級車ブランドに衝撃を与えるほどの存在となった経緯があるからだ。
初代LSによって、短期間でアメリカという大市場にレクサスというブランドは浸透することとなった。そして高級車は皆、LSに衝撃を受けてその後のプロダクトに対して大きな意識改革を迫られることとなった。
そうしてレクサスはアメリカで大成功を果たし、その後世界に展開され、2005年には日本でも展開されることとなった。
ただ、世界を変えた衝撃はその後いつしか、周りの高級車ブランドに吸収され、同様の存在になっていったのも事実だ。そして今日、新型LSが登場するまでを支えた先代LSは、実に11年の長きにわたって現役を務めた。
ただ、それは実力の高さで現役を務め続けた…とは言い難いのも事実。そしてこの11年という長い時間の中に感じる何かしらの停滞に、いまの自動車の世界における、レクサスの立ち位置(それは微妙と言っても良いかもしれない)があるようにも思えてしまう。
そうした時間の流れの先に登場した新型LS。ならば期待をしないわけにはいかない。
いまから28年前に、登場とともに世界の基準を塗り替えたレクサスのLS。その最新モデルが11年ぶりに新型となる。そして現在の高級車試乗おけるレクサスの立ち位置を考えれば、レクサスはこの新型LSによって再び、世界を変える必要があるだろうし、レクサスもそう考えているはずだ。
新型LSに関しては今後、本日発表されたこと以上に様々な内容が明らかになっていくだろう。そうしていく中で、何を見せてくれるのか?
そしてLSが再び、自動車の新時代を作り出すのだろうか?
そういう部分に対して筆者は、静かに期待をしたいと思う。何かしらの新たな価値を、我々に指し示してくれることを楽しみにしている。