政府のデフレ完全脱却宣言と日銀の出口政策
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どうやら市場と日銀と政府のベクトルが来年4月あたりで揃うような動きとなりつつある。
市場では「物」だけでなく「サービス」価格の上昇も捉え、賃金春闘の動向などもわかる来年4月あたりに日銀が正常化を決定するとの見方が強まっている。
岸田首相は今回の総合経済対策を「デフレ完全脱却のための総合経済対策」と位置付けた。何をいまごろデフレ完全脱却なのか。それ以前にいまデフレなのか、といった疑問はさておき、雇用の数値なども鑑みて、今回の経済対策も効果も加わっての「デフレ完全脱却宣言」を行いたい意向が漂う。
日銀の正常化を拒む官邸というイメージが強かったが、むしろ日銀の金融政策の正常化を利用して、アベノミクスで出来なかったデフレ脱却ができたことをアピールする狙いがあるのではなかろうか。
そうであれば、12月や来年1月の会合ではやや早すぎるが、4月の日銀の金融政策決定会合で、物価目標の達成、もしくは達成される可能性が極めて高まったとして、金融政策の正常化を決定する可能性が高まることとなる。
これがデフレ完全脱却の大きな象徴となることで、政府もこれを好感するとともに、これをきっかけにデフレ完全脱却宣言を行うこともできる、そういった筋書きも見え隠れする。
もしそうであれば、来年4月の金融政策の正常化は、マイナス金利解除、イールドカーブコントロールの完全撤廃、ガイダンスの修正などが含まれていると考えられる。ガイダンスの変更はそれ以前に行ってもおかしくはないし、早くやってほしい。
ここにきて、6日の氷見野日銀副総裁の講演内容を含めて、日銀から出口を意識した発言が出てきているのは、この政府の意向も意識されてのものとみてもおかしくはないのかもしれない。