新潟・JR信越線列車立ち往生 大雪を降らせた「線状の雪雲」
新潟では11日午後から12日朝にかけて、2度にわたり激しい雪が降った。この大雪は北陸沿岸に発生した線状の雪雲によるもの。冬の日本海で発生するとても危険な雪雲だ。
局地的な大雪
新潟・JR信越線で11日夜、大雪のため列車が動けなくなり、多数の乗客が狭い車内で一夜を明かしました。当時はどのような雪の降り方だったのでしょう。
こちらは新潟と長岡の積雪の変化をみたものです。11日午前1時から12日正午まで1時間毎の積雪をグラフにしました。
新潟では11日午前はほとんど積雪がありませんでしたが、昼頃から状況が一変しました。見る間に積雪が増えていったのです。一方、長岡では11日午前は雪が強く降ったものの、午後になって雪は小康状態、積雪に大きな変化はみられなくなりました。新潟県内でも雪の降り方に大きな差があったことがわかります。
1時間に14センチの雪
どのくらい強い雪が降ったのでしょう。新潟地方気象台の観測によると、11日午後は数分間外にいるだけで雪が衣服に積もるほどの強い降り方で、見通しが300メートルと極端に悪かったようです。
実際、11日午後2時から3時までの1時間に14センチもの雪が降りました。通常は1時間に3センチ程度の降り方で強い雪とされていますから、その5倍の強さで降ったと推測されます。また、雪のピークは2度あったことがわかり、1回目は11日夕方、2回目は12日未明です。
大雪を降らせた「線状の雪雲」
どうして列車が動けなくなるほどの激しい雪が降ったのか。こちらは11日午後6時の雪雲の様子です(表紙も)。能登半島付近から新潟県にかけての北陸沿岸に東西に長い雪雲が発生しました(黄破線で囲った部分)。
雪雲の形が細長いことから、風の収束により雪雲が発達し、強い雪を降らせたものと思われます。このような線状の雪雲は冬の日本海で多く発生し、局地的な大雪をもたらします。日本列島に強い寒気が流れ込んだとき、最も警戒しなければならない雪雲です。とくに、風の集中が強いときは雪雲が停滞しやすくなるため、数時間にわたり猛烈な雪が降ります。
13日も新潟で40センチの大雪
昨年12月以降、5度目となる強い寒気。12日は石川・輪島の上空約5千メートルでマイナス41.9度と今季最低の気温を記録しました。
13日朝は能登半島付近に低気圧が発生するため、再び雪雲が発達するでしょう。新潟県ではさらに40センチの大雪が予想されています。今後も、雪の降り方にお気をつけください。
【参考資料】
新潟地方気象台:大雪に関する北陸地方気象情報 第8号,2018年1月12日15時56分発表