大雨は落ち着くも、梅雨明けは見通し立たず?
梅雨前線南下、大雨は一旦落ち着く
きょう気象庁から令和2年7月豪雨に関する報道発表がありました。
その豪雨をもたらし、日本付近に長時間寄り添うように停滞していた梅雨前線は久しぶりに本州の南の海上へ南下しました。
一方梅雨前線とは別に、上空に寒気を伴った低気圧が日本海側にあるため、局地的には激しい雨の降っている所もありますが、これまでの降り方と比べれば、落ち着いた状態になったと言えそうです。
こうなると気になってくるのは梅雨明けと言うことにもなりますが、九州南部など一部を除き、見通しが立たない状況です。
鍵を握る太平洋高気圧の張り出し
梅雨明けのパターンに入る時、最も特徴的で、その鍵を握るのが、南の海上からの太平洋高気圧の張り出しです。
今年は7月に入ってからこの太平洋高気圧の張り出しが日本の南東海上で強く、西側の東シナ海付近で弱かったために、西日本への暖湿気の流れ込みが強まり、その結果、記録的な大雨となりました。
そしてそのことを象徴しているのが、奄美地方で未だに梅雨明けの発表がないことです。奄美地方での過去最も遅い梅雨明けは1983年と2010年の7月15日ですから、きょうこの記録を更新し、過去最も遅い梅雨明けとなることが決まりました(速報値)。
では今後の太平洋高気圧の予想はどうなのでしょう?
週末から週明けにかけて、東シナ海から西日本付近で勢力が強まり、このタイミングでようやく奄美地方(名瀬)でも梅雨明けが発表されるでしょう。
また20日(月)には西日本付近まで張り出していますので、もしこのまま勢力が拡大すれば一斉に梅雨明けと言うことも考えられる状況ですが、今の計算だと、この週明け頃の勢力が最も強く、来週後半にかけては勢力が弱まり、来週の週末頃は再び典型的な梅雨の形に戻ることが予想されています。
さすがに来週の後半だとまだブレがかなり大きく、信頼度はそれほど高くはありませんが、今のところ、奄美や九州南部などを除き、梅雨明けとなる明瞭な予想は立てられない状況です。
梅雨明けは7月最終週以降?
ウェザーマップによる16日間予報でも、同様の予報となっており、画面の一番下、奄美地方(名瀬)では、おそらく19日(日)頃には間違いなく梅雨明けの発表があり、鹿児島など九州南部でも週明けにはその可能性が考えられます。
ところがその他の地方は、やはり太平洋高気圧の張り出しが明瞭ではないため、少なくとも来週いっぱいは雲が主役のスッキリしない天気が続く見込みです。
これまでのような大雨が降り続くような感じではありませんが、太平洋高気圧縁辺の湿った空気で不安定となり、局地的な激しい雨の降りやすい状態は続くものと思われます。
さらに今の計算では、東北地方の梅雨明けは8月にまでずれ込む可能性も否定できない予報となっています。