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笑いの世界基準、ゆりやんレトリィバァが語る「私の夢」

中西正男芸能記者
ネタへの思いを語るゆりやんレトリィバァ

 アメリカNBCの公開オーディション・リアリティー番組「アメリカズ・ゴット・タレント」に出演し話題となっているゆりやんレトリィバァさん(28)。言葉の壁、文化の壁をものともせず爆笑を取る姿は各方面に大きな衝撃を与えましたが、その根底にあったのは自らのネタへの強い愛でした。

今年は「R-1」不参加

 今年は(ピン芸人ナンバーワン決定戦)「R-1ぐらんぷり」には出なかったんです。これまでは、結構、賞レースに命を懸けてきたというか「R-1」とか(女性芸人ナンバーワン決定戦)「THE W」とか。とにかく出ないといけない。出ないことには終わりやとまで思っていたんです。

 賞レースに向けて、勝つためのネタを考える。そうやるのも好きなんですけど、今年は勝ち負けのネタよりも、一回、自分が楽しいと思うネタだけをやってみようと。勝ち負けだけにグーッとならないで「私って、こういうのが好きなんですよ」と見てもらえるような年になればなと思ったんです。ま、勝ち負けにこだわるとか言っても、そんな緻密なネタとかないんですけどね(笑)。

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やりたいことをやる

 7月から初めて単独ライブの全国ツアーをやらせてもらうんです。もともと単独ライブが好きですし、来年はオリンピックもありますし、いつか、やっぱり、世界で何かやらせてもらえるようになりたいなと。その前に、日本でツアーをやらせてもらえたらなと思いまして。

 今回の中身は、ネタ、ゲストコーナー、そして、ミュージカル(笑)。この3つで考えています。とにかく、自分が好きなことをやってみたい。それを詰め込んだ形です。

 ま、あの~、ミュージカルなんですけど、ブロードウェーとか劇団四季だけはイメージしないできてくださいね(笑)。ただ単に、私のあこがれだけでやりますんで。あと、ミュージカルの中に、去年の12月から週に1~2回練習してきたポールダンスも入れられたらなと。とにかく、やりたいことをやろうと思ったんです。

ネタ、最高

 改めて、こんなん言うのも何なんですけど、私、本当にネタが好きなんです。ネタが楽しすぎて「ネタ、最高!」という感じです。本当に楽しくて、なんというのか、とにかく楽しくて。同じことばっかり言ってますね、スミマセン(笑)。でも、それくらい楽しいんです。

 お客さんが笑ってくださるのも楽しいし最高なんですけど、もともと、私は女優さんになりたかったとか、アイドルになりたかったとか、いろいろな夢があったんです。それをネタにしたら、その瞬間は夢がかなっているというか。やりたいシーンとか、やってみたいこととか、それを全部実現できる。だから、楽しいんです。

 最初、NSCの時とかは「やりたいけど、どうやってネタを作っていいか分からん!」という感じがあったりもしたんですけど、いろいろな先輩方に出会って、自分が本当に楽しいことをされている方々を目の当たりにして、いろいろなことを感じまして。

 その中で、自分も楽しいことをやろうと思うようにしたら「ホンマに楽しいやん!」となっていきました。それは周りに面白い人がたくさんいらっしゃって、そういった方々を間近で見てきたからですし、感謝するばかりです。

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 例えば、友近さんはピン芸人の先輩で、だからといって「こうした方がいいんじゃない」とか言葉ではおっしゃらない。でも、ライブに出していただいたりすると、どんな言葉をもらうよりも「頑張ろう!」と思うんです。こんなに面白くて、すごいことが世の中にあるんやと。じゃ、私も頑張ろう。私も楽しいと思うことを信じてやろうと。

 そんな思いが重なってきて、今年は自分が楽しいと思うことをとことんやる。とらわれずにやる。そういう年にしようと思ったんです。

東京での新生活

 あと、今年で言うと、最近、東京に引っ越したんです。4月に引っ越したんで、まだ2カ月くらいですけど。

 去年でいうと、年間200泊くらい東京にいたので、東京にいれば移動の時間も、それこそポールダンスの練習にあてれるなとか、そう考えまして。

 ただ、私、大阪がメッチャ好きで、引っ越したくないなと思っていたんです。その理由は純粋に大阪が好きということと、家の周りにジムだとか、ものすごく美味しいご飯屋さんだとか、おしゃれな服屋さんだとか、コンビニだとかがあって、とても便利だったんです。この環境は手放したくないなという思いもあって大阪がいいなと思ってたんですけど、東京に出てきたら、比べもんならんくらいムチャクチャ便利やなと(笑)。

 一つ困ったことがあるとすると、私は(大阪・難波の)「よしもと漫才劇場」の楽屋が好きなんです。自分の出番がなくても、そこに行けば誰かがいるので、そこに行って先輩としゃべったりしてたんです。今はそれができないのがさびしいですけどね。

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今後の夢

 今後も、ネタは本当に楽しいので絶対にやっていきますけど、それ以外でやりたいなと思っていることもありまして…。映画です。出るというよりも、撮ってみたいなと。おこがましい話なんですけど。

 私、アカデミー賞の受賞シーンのネタをやってるんですけど、自分が撮った作品で実際にアカデミー賞を受賞して、そのシーンを本当にやってみたいなと(笑)。日本で見てくださっている方に「ネタと一緒やん!」と言ってほしいです(笑)。結局、これもネタにつながっていくんですけど…、それが私の夢です。

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(撮影・中西正男)

■ゆりやんレトリィバァ

1990年11月1日生まれ。奈良県吉野郡出身。本名・吉田有里(よしだ・ゆり)。関西大学文学部在学中に、35期生としてNSC大阪校に入学。NSCを首席で卒業し、1年目からMBSテレビ「ロケみつ」などにレギュラー出演し注目を集める。来月、初の単独ライブツアー「ゆりやんJAPANツアー」を開催。大阪(12日、なんばグランド花月)、福岡(21日、パピヨン24ガスホール)、東京(23日、きゅりあん大ホール)、名古屋(25日、名古屋市芸術創造センター)、奈良(28日、橿原市立かしはら万葉ホール)の5公演を行う。また、体感型ファンタジーショー「Slava's SNOWSHOW スラバのスノーショー」(7月19日~8月7日、大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA TTホールで7月19日~8月7日、東京・シアター1010で8月10日~25日)のスペシャルサポーターも務めている。

芸能記者

立命館大学卒業後、デイリースポーツに入社。芸能担当となり、お笑い、宝塚歌劇団などを取材。上方漫才大賞など数々の賞レースで審査員も担当。12年に同社を退社し、KOZOクリエイターズに所属する。読売テレビ・中京テレビ「上沼・高田のクギズケ!」、中京テレビ「キャッチ!」、MBSラジオ「松井愛のすこ~し愛して♡」、ABCラジオ「ウラのウラまで浦川です」などに出演中。「Yahoo!オーサーアワード2019」で特別賞を受賞。また「チャートビート」が発表した「2019年で注目を集めた記事100」で世界8位となる。著書に「なぜ、この芸人は売れ続けるのか?」。

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1999年にデイリースポーツ入社以来、芸能取材一筋。2019年にはYahoo!などの連載で約120組にインタビューし“直接話を聞くこと”にこだわってきた筆者が「この目で見た」「この耳で聞いた」話だけを綴るコラムです。最新ニュースの裏側から、どこを探しても絶対に読むことができない芸人さん直送の“楽屋ニュース”まで。友達に耳打ちするように「ここだけの話やで…」とお伝えします。粉骨砕身、300円以上の値打ちをお届けします。

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