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【宮城県 松島町】観瀾亭のどこかに存在!一度は見ておきたい歴史深い3つの珍しい物 [町内地区]

Molly Chibaフリーランスライター(東松島市・松島町)

▲ 観瀾亭(かんらんてい)はJR松島海岸駅から徒歩約7、8分の場所にあり、「松島島巡り観光船」船乗り場のちょうど裏手にあたる
▲ 観瀾亭(かんらんてい)はJR松島海岸駅から徒歩約7、8分の場所にあり、「松島島巡り観光船」船乗り場のちょうど裏手にあたる

宮城県松島町の町内地区にある観光名所の一つ「観瀾亭(かんらんてい)」は、宮城県を含め日本の重要文化財にも指定されている場所だ。世界中から訪れた人々の気持ちを高めてくれる松島湾の絶景と、雅な桃山建築(安土桃山時代の建築方法)の建物が見どころだ。特に文化財指定の建物にもかかわらず、施設内で飲食(抹茶とお菓子)ができるという部分は、観瀾亭ならではのスペシャルなサービス!他の施設ではなかなか叶えられないことなので、一年を通して多くの人々が訪れている。

観瀾亭は外観からはあまり敷地は広くないと感じるのだが、中に入ってみると意外とゆったりとしていて、ちょっとした散策もできるのだ。今回は、その敷地内の'どこかに存在'する、歴史を感じる珍しい物を3つご紹介!この記事では具体的な場所は伏せておき、皆さんが実際に訪れた際に楽しみながら探してみてほしい。

まず1つ目の珍しい物は「セコイアの化石」という植物の「木」の化石だ。セコイアというのは杉(スギ科)の種類の1つで、地球上に存在する木の中で最も大きく、そして長寿と言われている。純粋なセコイア(原始的な)は、アメリカ西部の一部の地域にのみ存在していて、日本国内には進化したセコイアが自生している。
さて、この化石だが実は約3000万年以上も前(縄文時代の後期付近)のものであり、元々は宮城県仙台市の青葉城付近に存在していたものを、明治9年にこの松島町の観瀾亭敷地内に移動させたという。その背景には、当時明治天皇が松島を訪れる際の'もてなし'の為とされている。
実際に現物を目の前にすると、木の面影がまだしっかりと感じられることに驚く!長寿と言われている木とはいえ、その細胞たちの生命力は凄い。なお、木に触れること自体は禁止とされていないが、もしも'セコイアパワー'に触れたい場合は、ソッと優しく触れよう。

そして2つ目の珍しい物は、大昔に衣服をしまうために使用されていた箱「長持(ながもち)」だ。この長持だが、中央の消え掛かっているマークをよく見ると・・・なんと徳川家の家紋「葵の紋章(あおいのもんしょう)」であることがわかる。
一体、持ち主は誰なのかと色々と想像してしまうが、実は戦国武将の1人「徳川家康」のひ孫にあたる「徳川吉宗(とくがわ よしむね)」の養女、「利根姫(とねひめ)」がこの長持の持ち主。利根姫は、仙台藩主の「伊達宗村(だて むねむら)」とお見合い結婚を機に、徳川家の家紋入りの長持を、嫁入り道具として持ち込んだと言われている。補足情報だが当時、仙台藩では「とね」という読みを禁止していたため、宗村公と結婚後には名前を「温子(はるこ)」として、周囲からは『温子姫君さま!』と呼ばれていた。
葵の紋章というのは不思議な迫力があるもので、実際に長持を見ていると中に衣服を入れるには、箱のインパクトが強すぎると感じてしまった筆者だ・・・。温子姫君さまは、一体何着の服をここに保管していたのだろうか?結構な大きさだぞ。

最後の珍しい物は、約800年以上も前から現在の観瀾亭の敷地内に生きていた松島町の天然記念物「大欅(おおけやき)」だ。この欅は、観瀾亭が伊達家の別荘(御仮屋御殿)として建設されるもっと前から、この地で生育していて幹回りは7.8メートル、全長35メートルにもなっていた。しかし、年々腐食が目立ち始めやむおえず、2018年に現在の根元だけを残した状態に。
筆者自身も子供の頃からこの欅の存在はしっかりと記憶に残っていて、周辺にある他の松の木などに比べても際立って大きく、観瀾亭が建っている島(岩)に根っこが絡みついていたのを鮮明に覚えている。現在の根っこの一部分だけを見ても、その大迫力の面影が残っていて約800年という時間を生き抜いた力強さを感じる。思えば、この欅は伊達政宗公や松尾芭蕉たちの姿も、この場所から見届けていた訳だ。
先にご紹介した「セコイア」を含め、木の生命力とは信じられない力があるものだ・・・!(種類にもよるとは思うが)

さて、今回は宮城県松島町の町内にある「観瀾亭」敷地内の、歴史を感じる3つの珍しい物をご紹介してきた。観瀾亭は重要文化財ということもあり、どうしても煌びやかな部分だけに注目をしてしまうが、実は隠れている素敵な物たちが結構存在する。それらはとても貴重な物であり、そしてとても珍しい物のことが多い。ぜひ、松島散策をしながら今回ご紹介した3つの物を探してみよう!
なお、観瀾亭の入場料金は、大人1人200円・大学/高校生150円・小中学生100円(上記写真参照 ※2023年時点)で、抹茶とお茶菓子セットも楽しみたい方は、受付時に抹茶の料金(600円〜)を一緒に支払おう。
さあ、今週末はみんなで松島散策に出発だ!

名称:観瀾亭(かんらんてい)
住所:宮城県宮城郡松島町松島町内56
営業時間:[4月-10月] 8:30 - 17:00、[11月-3月] 8:30 - 16:30
定休日:年中無休

フリーランスライター(東松島市・松島町)

日本出身/日本と英国を拠点に活動。自然と動物が大好きな人間です。国内地域ニュース、日英サッカーコラム、サステナブル・ツーリズムに関する記事を執筆中。

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