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センター試験の一方で日本の大学たちを悩ます「2018年問題」。韓国も解決急務だが…

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
(写真:ロイター/アフロ)

昨日から始まった大学入試センター試験。今年の志願者数は前年度よりも多い約58万3000人強だそうだが、少子高齢化が進む日本には大学の「2018年問題」があるという。今年、大学進学者が減少に転じると予測されているからだ。

文部科学省などによると、18歳人口は1995年の205万人から下降し、2014年には118万人にまで減少。その後は119万~120万人だったが、今年は118万人と再び減少に転じるらしい。要するに、2018年を機に大学に入る人が減っていくということだろう。

そんな日本の現実は、「日本“学生がいない”少子化の余波で大学の40%が定員割れ」(『世界日報』)などと、韓国メディアも報じていた。

それは韓国も同様の問題を抱えているせいかもしれない。

「地球上で真っ先に消え去る国は韓国」

そもそも韓国の少子化は著しく、2017年上半期に生まれた新生児は約18万8000人となっており、前年同期比で12.4%も減少したという。

イギリスのオックスフォード人口問題研究所が「地球上で真っ先に消え去る国は韓国」と指摘しているほどだ。

(参考記事:「地球上で真っ先に消え去る国は韓国」…3年後に迎える“人口絶壁”の原因は

実際に、「主要大学総長の新年辞で見た2018年の大学キーワード」と副題がついた「大学2018年の話題は“危機克服”と“和合”」(『大学ジャーナル』)という記事では、「学齢人口の減少」を大学が抱える危機として指摘している。

同じく同記事が大学の危機として取り上げているのが、「財政削減」だ。

というのも、韓国の大学では今年から段階的に入学金が廃止される。

国公立大学はもちろん、私立大学の入学金も2022年までに廃止されるという。まさに韓国版「大学の2018年問題」の反動と言えるだろう。

財政削減は「泣きっ面に蜂」になる!?

『韓国経済新聞』は以前、コラムで「大学が入学金を受けない場合、長期的に大学の発展や学生に決してプラスにならない」などと警鐘を鳴らしていたが、それも無理はないかもしれない。

ただでさえ、韓国の大学は“質の低下”が指摘されており、「韓国の東大」といえるソウル大学も、2017年の「世界大学ランキング」(「Times Higher Education(THE)」)は74位。2014年の44位から急落しているのだ。

(参考記事:ノーベル賞受賞者など「世界的な学者」が指摘したソウル大学を蝕む“核心的な問題点”とは

そういったそもそも論に加えて、学齢人口の減少や財政削減という新たな問題が表面化するとなっては、韓国の大学の未来は明るいと楽観視はできないだろう。

近年には“天才少女”騒動も

こうした大学の危機があるからか、韓国では近年、ハーバード大学などから強烈なラブコールを受けたという“天才少女”騒動が起きたりもしていた。

ただ、蓋を開けてみるとまったくの事実無根で、天才待望論が招いた悲劇だった。

(参考記事:ハーバードとザッカーバーグが惚れ込んだ頭脳!? 韓国の“天才少女”騒動

いずれにしても、「大学の2018年問題」を抱える日本と同様に、韓国の大学も問題点は少なくない。大学は国家の未来を担う人材を輩出する教育機関だけに、一刻も早い解決が求められている。

ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。早稲田大学・大学院スポーツ科学科修了。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

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