ディズニーテーマパーク2021年度決算は黒字 年間入園者数2600万人体制へシフト
東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランドの2021年度決算が発表された。
東京ディズニーランド(TDL)と東京ディズニーシー(TDS)の年間入園者数は、当初予測を上回り、1,205万人となった(図1)。1日1パーク2万人から、キャパシティの50%以下まで段階的に引き上げたことが寄与した。しかし、ピークの2018年度2パークで年間3,256万人、単純平均すると1日8.9万人であったのに対し、その半分にも満たない。
図1 TDL&TDSの年間入園者数と1日平均入園者数
一方、ゲスト1人当たり売上高は、大きく上昇した(図2)。特に、4段階の価格変動制導入と、朝やハロウィーンの新たな高単価チケット発売がチケット収入を大きく向上させた。TDS20周年関連商品が好調で、商品販売、飲食販売も伸びた。客単価14,834円は驚異的な水準といえる。
図2 TDL&TDSのゲスト1人当たり売上高
その結果、テーマパーク事業の売上高は2,186億円、営業利益は25億円の黒字となった。このバランスは、コロナ前と近似しているが(図3)、客単価向上が大きく寄与し、年間入園者数に対する営業利益額は高水準にある(図4)。
図3 TDL&TDSの年間売上高と営業利益額の関係
図4 TDL&TDSの年間入園者数と営業利益額の関係
同日発表された「2024中期経営計画」によると、今後は1日当たり入園者数上限を新型コロナウイルス感染症流行前より引き下げ、快適なパーク環境を維持しながら、平日や閑散期の入園者数を増やして平準化する。2023年度にTDSの新テーマポート「ファンタジースプリングス」開業でパークのキャパシティは大きく増えるが、2024年度時点の入園者数は2,600万人程度に設定するという。パークが入園者数の平準化と客単価とのバランスで収益化をはかることは、ゲストにとってもプラスとなる。テーマパークは、高単価だが高付加価値なレジャーにさらにシフトしていく。