人が何者であるかを決めるのは能力ではなく選択:「ハリー・ポッターと秘密の部屋」
ダンブルドア校長の言葉は、最新心理学の結論と同じです。
■「ハリー・ポッターと秘密の部屋」
「ハリー・ポッターと秘密の部屋」。昨日、何度目かの地上波での放送がありました。
両親を殺された主人公のハリーは、魔法使いなのですが、自分の正体を知らずに親戚の家でいじめられていました。けれども、ハリーはホグワーツ魔法魔術学校に招かれ、本当の自分を知り、次々襲ってくる困難を乗り越える冒険を始めます。
「ハリー・ポッターと秘密の部屋」では、ハリーは蛇と話せる不思議な力を持っていることを知ります。けれども、この能力は両親を殺したボルデモートと同じです。自分も悪の存在と同じなのではないかと悩んだハリーに、ホグワーツのダンブルドア校長が語ります。
「自分が何者であるかを決めるのは、能力ではなく選択なんじゃよ」。
■能力と選択の心理学
人の人生を決めるのは何でしょうか。お金、環境、見た目、親などでしょうか。たしかに、それらは影響を与えます。小さなものではありません。けれども、「心理学の研究によれば、お金や環境や見た目によって変わる幸福度は、わずか10パーセントです」(幸福になる方法:子どもに教えるべき最も大切なこと:ポジティブ心理学から:Y!ニュース 有料)。
親の養育態度によって子どものパーソナリティが決まるものではないことも、現代心理学の研究成果です。
さらに心理学の研究によれば、知能の高さよりも、親の財産よりも、美男美女であることよりも、最も大切なのは「自己制御力」だとわかっています。何を持っていても持っていなくても、自分の特徴を制御して活用していく力こそが、人生の成功には大切です。
■能力ではなく選択
たとえば、私が誰かを殴って強盗しようと思ったとします。しかし腕力が足りない。そんな時は、武器を使えば良いでしょう。悪の仲間を集めても良いでしょう。
あるいは、困っている誰かの荷物を持ってあげようと思ったとしましょう。けれども腕力が足りません。そんな時は、台車を借りてきても良いでしょうし、手伝ってくれる仲間を集めても良いでしょう。
腕力があるかないではなく、私がどのような選択をするかが、私の人生を決めます。
どのようなことでも、1万時間を費やせばそれなりになると言われています。1万時間。毎日3時間で10年です。この時間を何に使う選択をするかで、将来は変わってくるでしょう。
■おまけ:ドビー:屋敷しもべ妖精
ドビーは、「ハリー・ポッターと秘密の部屋」に登場する魅力的なキャラクター。魔法使いの家に召使いとして住む魔法生物です。意地悪な魔法使いにひどい目に会い続けていますが、正義心からハリーを助けようとします。
「ドビーは悪い子!ドビーは悪い子」。ドビーと言えば、このセリフ。自分が悪いことをしたと思うと、ドビーはこう言って、自分の頭を壁に打つつけます。自傷行為ですね。
ハリーのおかけで、最後にドビーは悪い主人マルフォイから解放されます。ドビーは、実はなかなかの魔法の使い手でした。自由になったドビーは、凛々しく、強く、堂々としていました。
私たちには、それぞれに個性があり、能力があります。それを生かすのは、考え方、日々の選択、そしてセルフイメージです。
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It is our choices that show what we truly are, far more than our abilities.
(Harry Potter and the Chamber of Secrets)
「自分が本当に何者かを示すのは、持っている能力ではなく、どのような選択をするかということなんじゃよ」
(「ハリポッターと秘密の部屋」)