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「日本一ドローンが飛ぶ町」を目指す徳島県那賀町の取組み

佐藤仁学術研究員・著述家
ドローンで空撮された徳島県那賀町(徳島県那賀町提供)

 2018年4月18日から20日まで幕張メッセで国際ドローン展が開催されていた。国内外のドローン開発メーカーらが多数出展していたが、その中でも異色だったのが徳島県那賀町のブースだった。那賀町のドローンの取組み、同町が作成したドローンマップの展示などこぢんまりとしたブースだったが、国際ドローン展の会場で自治体として出展している「徳島県那賀町まち・ひと・しごと戦略課ドローン推進室」のブースは目を引いた。

国際ドローン展で徳島県那賀町のブース
国際ドローン展で徳島県那賀町のブース

マイナス条件もドローンには好条件

 徳島県那賀町では2015年10月から「日本一ドローンが飛ぶ町」を目指して、2016年4月には「まち・ひと・しごと戦略課」内に「ドローン推進室」を設置。体験会・講習会をはじめ多くの実証実験、災害協定締結などドローンの利活用を積極的に推進してきた。

 那賀町は徳島の山間部、高知県との境に位置し、日本の滝100選に選出される名瀑や樹氷など神々しい自然が身近にある。そのためドローンによる空撮を楽しみたい人たちにとっては、夢のフィールドだ。「市内から遠い」「消滅可能性都市」といったマイナス条件もドローン飛行にとっては好条件。

「多くの人にドローンの飛行や観光で那賀町に来てほしい」

 「日本一ドローンが飛ぶ町」を目指して、日本一ドローンを飛ばしやすい環境づくりも行っている。その一環として、那賀町では2017年2月からドローンマップも作成して公開。マップでは同町でドローンを飛行できる場所を紹介している。東京や大阪といった大都会ではドローンを飛ばせる場所は限られている。ほとんどの場所が飛行禁止区域だ。25ヶ所のドローン飛行が可能な場所があり、それぞれのスポットをドローンマップで紹介。しかも、どこも大自然で荘厳な風景のため、空撮には最適な場所だ。

 国際ドローン展で徳島県那賀町のブースで説明員を務めていた那賀町役場の田和隼人氏は「ドローンを通じた取組みをここ数年実施してきている。ドローンを通じて那賀町が活性化することに期待している。那賀町の存在を知ってもらい、多くの人にドローンの飛行や観光で那賀町に来てほしい」と語っていた。

▼那賀町ドローンマップ配信映像

国際ドローン展で徳島県那賀町のブースで説明員を務めていた那賀町役場の田和隼人氏
国際ドローン展で徳島県那賀町のブースで説明員を務めていた那賀町役場の田和隼人氏
学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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