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出掛ける前からジャズ気分:坂本千佳 レコ発 JAZZ Live Party@Z.imagine

富澤えいち音楽ライター/ジャズ評論家

●公演概要

10月14日(月) 開場 18:30/開演 19:00

会場:外苑前Z.imagine

出演:坂本千佳(ヴォーカル)、土井一郎(ピアノ)、山田晃路(ベース)、マイク・レズニコフ(ドラム)

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坂本千佳 レコ発 JAZZ Live Party@Z.imagine

坂本千佳さんとボクは、彼女がこのたびリリースするファースト・アルバム『After the Rain』のライナーノーツを依頼されて知り合うことになりました。いきなり本人から「今度アルバムを出すのでライナーノーツを書いてください」とメールが来たときは、最初は「?」だったのですが(名前も存じ上げずどんな音楽を発していらっしゃるのかもわからないわけですから)、実はこういう本人プロモーションも珍しいことではなく、同様の出逢いでボクのジャズの世界を広げていただいたことが多々あったので、二つ返事でそのリクエストを引き受けることにしました。

取材のために会った坂本千佳というヴォーカリストは、サンプルで耳にしていた彼女のパフォーマンスとはちょっと異なる印象を受けて、そういうギャップも盛り込んだ原稿を楽しく書くことができました。

当夜は、収録メンバーが揃うという貴重なステージ。土井一郎さんは1970年代から日本の主要なジャズ・グループに参加して活動を続けてきたベテラン・ピアニストで、坂本千佳さんの“師匠”です。山田晃路さんもオーソドックスなジャズ・グループからエスニック、ポップス、フリー・アバンギャルドに至るまで様々なスタイルのバンドに在籍して活動を続けるベテラン・ベーシスト。バンド最年長、1947年ニューヨーク生まれのマイク・レズニコフさんは、80年代後半から日本での活動も多い大ベテラン・ドラマー。

こんなすばらしい環境に飛び込んで、自分が選んだジャズの歌の道を記録することができた坂本千佳さんは、ヴォーカル冥利に尽きると言えるでしょう。しかし、冥利だけで尽きてしまってはいけませんね。

すでにジャズを歌って10年超、そのキャリアをまとめることで次のステップに移るきっかけを作ってくれるのが、このアルバム制作であり、レコ発ライヴになるはずです。それだけに、このエポック・メイキングになるであろうレコ発ライヴは見逃せないでしょう。

残念ながら坂本千佳さんの映像はnot foundなので、土井一郎さんのトリオ演奏をお楽しみください。

♪JAZZ Round Midnight土井一郎(p)Trio@yokohamaエアジン2011

♪Jazz Piano / 土井一郎トリオ- Infant Eyes

では、行ってきます!

音楽ライター/ジャズ評論家

東京生まれ。学生時代に専門誌「ジャズライフ」などでライター活動を開始、ミュージシャンのインタビューやライヴ取材に明け暮れる。専門誌以外にもファッション誌や一般情報誌のジャズ企画で構成や執筆を担当するなど、トレンドとしてのジャズの紹介や分析にも数多く関わる。2004年『ジャズを読む事典』(NHK出版生活人新書)、2012年『頑張らないジャズの聴き方』(ヤマハミュージックメディア)、を上梓。2012年からYahoo!ニュース個人のオーサーとして記事を提供中。2022年文庫版『ジャズの聴き方を見つける本』(ヤマハミュージックHD)。

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