中学受験で小学校を長期に休む子どもに何が起きているのか?先生が語る学習の遅れや心の不安定さを防ぐ方法
子どもが中学受験のために、小学校を長期に休む子どもが増えています。受験のためにはどうしようもないことなのかもしれません。しかし、このような長期欠席は、子どもの学習や心に悪影響を及ぼす可能性があります。こんなとき、小学校の先生は、どのような心配をしているのでしょうか?また、どのような対策を取っているのでしょうか?
学習の遅れや学力の低下
長期欠席すると、中学受験のための勉強とはいえ、学校の学習内容についていけなくなる可能性があります。また、子どもにとって、長い時間の受験勉強は、高い集中力を維持することが難しいこともあります。学力の低下は、中学受験だけでなく、その後の学習にも影響を与えることがあります。
友だちとの関係やコミュニケーション力の低下
長期欠席すると、友だちとの交流が減ることで、孤立感や寂しさを感じることがあります。6年生の3学期は卒業に向けての行事もあり、子どもたちの心が卒業に向けて高まっていく時期です。友だちとの関係が変わったり、話題が合わなくなったりすることもあります。その結果、友だちの中に入っていけなくなることで、コミュニケーションのスキルや社会性が低下することもあります。
学校への適応や復帰の不安
長期欠席すると、学校に対するモチベーションや帰属感が低下することがあります。受験シーズンは受験のことが子どもの頭の中でいっぱいになります。すると、子どもに余裕がなくなって、「学校の勉強(行事)は中学受験には関係ないからやらない。」と言ってしまう子どももいます。受験に合格することが目標であるため、学校の学習や行事に前向きに取り組むことができなくなってしまいます。また、学校に戻ることに対する不安や恐怖を感じることもあります。学校への適応や復帰が困難になることもあります。その結果、せっかく受験に合格しても、新しい学校生活に馴染めなかったり、燃え尽き症候群になってしまったりすることがあります。
精神的なストレスや不安定さ
長期の欠席で、子どもは中学受験のプレッシャーや親の期待によるストレスを感じることがあります。また、自分の将来や自己価値に対する不安や自信のなさを感じることもあります。精神的な不安定さやうつ状態に陥ることもあります。
健康面や生活習慣の乱れ
長期欠席すると、運動不足や栄養不足による健康面の問題を抱えることがあります。また、睡眠時間や起床時間などの生活習慣が乱れることもあります。健康面や生活習慣の乱れは、学習や心にも悪影響を及ぼすことがあります。そこで、学校の先生は、中学受験のために長期欠席する子どもに対して、以下のような対策を取っています。
⑴学習のフォロー
先生は、中学受験で長期欠席している子どもに対して、学校で学んだ内容や宿題をメールや電話で伝えたり、教材やプリントを送ったりしています。また、場合によっては個別指導や補習授業などを行って、学習の遅れを取り戻すように助けています。
⑵連絡の取り方
先生は、中学受験で長期欠席する子どもに対して、定期的に電話などで連絡を取っています。また、手紙やカードなどを送って、学校の様子や友だちの近況などを伝えることもあります。どの方法も子どもと学校のパイプを切らさないようにする手立てです。
⑶学校への帰属感や自己肯定感の向上
先生は、中学受験で長期欠席する子どもに対して、学校に関するイベントや活動に参加するように家庭へお願いをします。1、2月の時期は6年生を送る会や卒業に向けて6年生だけのイベントがあったりします。子どもを活動に参加させて、学校への帰属感や自己肯定感を高めさせたいという願いがあるからです。
まとめ
中学受験のために、小学校を長期に休む子どもは、学習や心理に様々な影響を受ける可能性があります。小学校の先生は、これらの影響に対して、学習のフォローや連絡の取り方などを工夫して、子どもの学校への帰属感や自己肯定感を高めるように努めています。