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愛知県知事リコール署名偽造事件、広告関連会社元社長の二審始まるも初日で結審【5/26追記あり】

関口威人ジャーナリスト
リコール署名偽造の裁判が開かれた名古屋高裁の入る庁舎(5月12日、筆者撮影)

 愛知県の大村秀章知事に対する解職請求(リコール)運動をめぐり、署名を偽造したとして地方自治法違反の罪に問われた名古屋市の広告関連会社元社長、山口彬被告(39)の控訴審の初公判が5月12日、名古屋高裁であった。

 山口被告側は一審・名古屋地裁が言い渡した懲役1年4カ月、執行猶予4年の判決に不服があるとして控訴したが、検察側はこの日「控訴の理由がない」として控訴棄却を求めた。裁判所側は山口被告の意見陳述なども認めず、即日結審。判決公判は5月26日に決まった。

「真摯に反省」強調も意見陳述認められず

 弁護側は起訴事実については認めた上で、一審判決の量刑が不当に重いと主張。この日の公判では山口被告が「贖罪」のため日本赤十字社に加えて複数の募金先に寄付を続けているとして「事件を真摯に反省している」と強調した。山口被告は公判後の取材に「警察に自首し、捜査に協力した時点からずっと反省はしているが、もう少し具体的に自分なりの罪の償い方を示したかった」などと話した。

 事件については、同法違反で昨年5月に逮捕・起訴されたリコール運動団体の事務局長・田中孝博被告の次男に懲役1年6カ月、執行猶予3年の判決が言い渡され、次男側が控訴せずに有罪が確定している。

 一方、孝博被告については昨年9月の初公判以降、公開の審理が開かれず、この日午前の時点でも次回公判期日は決まっていない。

 また、その他に署名偽造に関わったとされる元同県常滑市議ら関係者7人について、名古屋地検が不起訴とした処分は不当だとして、名古屋市内の弁護士が検察審査会に審査を申し立てている

【5/26追記】

 名古屋高裁は26日の判決公判で、1審の名古屋地裁判決を支持し、山口被告の控訴を棄却した。山口被告は公判後、「上告は考えにくいが弁護士と相談して決める。どちらにしても、これからも反省して行動していく」とし、残る田中孝博被告の裁判には証人として立つなど「協力する」と述べた。

ジャーナリスト

1973年横浜市生まれ。早稲田大学大学院理工学研究科(建築学)修了。中日新聞記者を経て2008年からフリー。名古屋を拠点に地方の目線で社会問題をはじめ環境や防災、科学技術などの諸問題を追い掛ける。東日本大震災発生前後の4年間は災害救援NPOの非常勤スタッフを経験。2012年からは環境専門紙の編集長を10年間務めた。2018年に名古屋エリアのライターやカメラマン、編集者らと一般社団法人「なごやメディア研究会(nameken)」を立ち上げて代表理事に就任。

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