北欧の生理用品パッケージデザインはどうなっているのか?
北欧諸国はエコへの関心が高い。時代の変化で、生理用品のパッケージデザインも変わり始めた。
生理用品をレジで紙袋に包むというカルチャーはない。エコバッグを持参している人も多いので、ほかの買い物用品と同じ扱いだ。
レジで、周囲の目が気になるという議論も、私が覚えている限りでは一度も聞いたことがない。
フィンランドの首都ヘルシンキの薬局では、100個入りのタンポンが、透明な袋に入って売られていた。見慣れない巨大サイズに、さすがに驚いた。
私がノルウェーのオスロ大学に通学している時のことだ。
新学期になると、さまざまな企業からの無料の商品が詰められた、学生へのプレゼントバッグがキャンパス内で配布されていた。
女性用の袋には、毎回タンポンが入っていた。
店頭では、月経カップも目にするようになった。今回は、ナプキンとパンティライナーのパッケージを紹介。
エコな議論が日ごろからされていることもあり、環境に配慮した生理用品が数年前に比べて増えた。
デンマークのオーガニック・デザイン、プラスチックはさようなら
特に印象に残るのが、デンマークのブランド「ジンジャー・オーガニック・コペンハーゲン」(GINGER Organic Copenhagen)。
できるだけプラスチックを減らそうという配慮で、容器も紙の包装だ。
優しい色合いのブラウン、パープル、グリーン。これまで生理用品といえば、派手なパステルカラーのパッケージが定番だったが、逆の発想で攻めている。
オーガニック・コットンを使用する徹底ぶりで、悪影響なケミカル素材フリー。
アレルギー認証、エコ認証、オーガニック・テキスタイル認証などのマークが箱についており、エコ意識の高いユーザーを狙っている。フィルムもバイオ素材。
最近、エコにこだわったショップなどでは、このブランドの生理用品を頻繁に見かけるようになった。
デンマークのIrma限定
デンマークで旅行者や北欧雑貨好きに人気のスーパーといえば、Irma(イヤマ)。女の子の顔がマークとなっている、Irmaのオリジナル商品には生理用品もある。
外側のパッケージは、真っ白でシンプル。ナプキンを包む紙は、薄いクリームブラウンと、珍しい色合いのバイオ素材。
ぜん息アレルギー協会からの認定マーク、北欧のエコ認証マークもあり。
ホワイトと淡い色で
全部の商品がエコというわけではない。スウェーデンの「Intuition」シリーズは通常のプラスチック素材などを使用。デザインは抑えめの色使い。
スーパー限定の生理用品
パンティライナー(おりものシート)のデザインも、シンプル・淡い色使いのデザイン。入れ物の容器は紙の箱が一般的。
北欧のスーパー「Coop」はノルウェー、スウェーデン、デンマークに多くの店舗を持つ。
フィンランドのCoopでは、オリジナルブランドの生理用品もエコ意識が高い。オーガニックコットンであることを強調し、北欧のエコ認証、ぜん息アレルギー認証のマークあり。
スウェーデンのCoopで見つけたパンティライナーは、エコマークはなし。紙の箱は、他ブランドよりも全体的に色が施されている。
北欧で開発されている生理用品は、派手なパステルカラーは避け、エコや敏感肌向けであることを第三者機関からの認証マークで強調している。
変わるスーパーの棚
ここ10年ほどで、スーパーや薬局の生理用品のパッケージデザインは大きく変わった。従来からある、質・安さ・量を重視した、目立つ色合いの商品は、今でも棚の多くを占める。
しかし、少しずつ、目にも優しい色合い、人にも環境にも優しい素材・製造過程にこだわったブランドも増えてきた。
特に、北欧各地のエコにこだわるショップほど、デンマークのブランド「ジンジャー・オーガニック・コペンハーゲン」をあえて置くようにしている印象を受ける。
どのような商品を置くかは、店の価値観のPRにもつながる。
消費者にとって、選択の幅がどんどん広がっている。