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北欧の生理用品パッケージデザインはどうなっているのか?

鐙麻樹北欧・国際比較文化ジャーナリスト|ノルウェー国際報道協会理事
ナプキンのデザインは北欧では違うのか Photo: Asaki Abumi

北欧諸国はエコへの関心が高い。時代の変化で、生理用品のパッケージデザインも変わり始めた。

生理用品をレジで紙袋に包むというカルチャーはない。エコバッグを持参している人も多いので、ほかの買い物用品と同じ扱いだ。

レジで、周囲の目が気になるという議論も、私が覚えている限りでは一度も聞いたことがない。

フィンランドの首都ヘルシンキの薬局では、100個入りのタンポンが、透明な袋に入って売られていた。見慣れない巨大サイズに、さすがに驚いた。

100個入り1袋で99ユーロ、2袋買うなら149ユーロ(約1800円)とお買い得 Photo: Asaki Abumi
100個入り1袋で99ユーロ、2袋買うなら149ユーロ(約1800円)とお買い得 Photo: Asaki Abumi
大きい!中身も丸見え。派手なパステルカラーの包装紙とは違う方向で目立つ  Photo: Asaki Abumi
大きい!中身も丸見え。派手なパステルカラーの包装紙とは違う方向で目立つ  Photo: Asaki Abumi

私がノルウェーのオスロ大学に通学している時のことだ。

新学期になると、さまざまな企業からの無料の商品が詰められた、学生へのプレゼントバッグがキャンパス内で配布されていた。

女性用の袋には、毎回タンポンが入っていた。

店頭では、月経カップも目にするようになった。今回は、ナプキンとパンティライナーのパッケージを紹介。

エコな議論が日ごろからされていることもあり、環境に配慮した生理用品が数年前に比べて増えた。

デンマークのオーガニック・デザイン、プラスチックはさようなら

特に印象に残るのが、デンマークのブランド「ジンジャー・オーガニック・コペンハーゲン」(GINGER Organic Copenhagen)

箱のデザインが他とはぜんぜん違う Photo: Asaki Abumi
箱のデザインが他とはぜんぜん違う Photo: Asaki Abumi

できるだけプラスチックを減らそうという配慮で、容器も紙の包装だ。

Photo: Asaki Abumi
Photo: Asaki Abumi

優しい色合いのブラウン、パープル、グリーン。これまで生理用品といえば、派手なパステルカラーのパッケージが定番だったが、逆の発想で攻めている。

北欧諸国で購入可能、デンマークの生理用品 Photo: Asaki Abumi
北欧諸国で購入可能、デンマークの生理用品 Photo: Asaki Abumi

オーガニック・コットンを使用する徹底ぶりで、悪影響なケミカル素材フリー。

Photo: Asaki Abumi
Photo: Asaki Abumi

アレルギー認証、エコ認証、オーガニック・テキスタイル認証などのマークが箱についており、エコ意識の高いユーザーを狙っている。フィルムもバイオ素材。

最近、エコにこだわったショップなどでは、このブランドの生理用品を頻繁に見かけるようになった。

デンマークのIrma限定

Photo: Asaki Abumi
Photo: Asaki Abumi

デンマークで旅行者や北欧雑貨好きに人気のスーパーといえば、Irma(イヤマ)。女の子の顔がマークとなっている、Irmaのオリジナル商品には生理用品もある。

外側のパッケージは、真っ白でシンプル。ナプキンを包む紙は、薄いクリームブラウンと、珍しい色合いのバイオ素材。 

Photo: Asaki Abumi
Photo: Asaki Abumi

ぜん息アレルギー協会からの認定マーク、北欧のエコ認証マークもあり。

Photo: Asaki Abumi
Photo: Asaki Abumi

ホワイトと淡い色で

 Photo: Asaki Abumi
 Photo: Asaki Abumi

全部の商品がエコというわけではない。スウェーデンの「Intuition」シリーズは通常のプラスチック素材などを使用。デザインは抑えめの色使い。

Photo: Asaki Abumi
Photo: Asaki Abumi

スーパー限定の生理用品

フィンランドのCoop限定Photo: Asaki Abumi
フィンランドのCoop限定Photo: Asaki Abumi

パンティライナー(おりものシート)のデザインも、シンプル・淡い色使いのデザイン。入れ物の容器は紙の箱が一般的。

北欧のスーパー「Coop」はノルウェー、スウェーデン、デンマークに多くの店舗を持つ。

フィンランドのCoopでは、オリジナルブランドの生理用品もエコ意識が高い。オーガニックコットンであることを強調し、北欧のエコ認証、ぜん息アレルギー認証のマークあり。

スウェーデンのCoopで見つけたパンティライナーは、エコマークはなし。紙の箱は、他ブランドよりも全体的に色が施されている。

スウェーデンのCoop限定Photo: Asaki Abumi
スウェーデンのCoop限定Photo: Asaki Abumi

北欧で開発されている生理用品は、派手なパステルカラーは避け、エコや敏感肌向けであることを第三者機関からの認証マークで強調している。

変わるスーパーの棚

北欧各地で見る、パステルカラーで定番の生理用品はスウェーデン発「Libresse」 Photo: Asaki Abumi
北欧各地で見る、パステルカラーで定番の生理用品はスウェーデン発「Libresse」 Photo: Asaki Abumi

ここ10年ほどで、スーパーや薬局の生理用品のパッケージデザインは大きく変わった。従来からある、質・安さ・量を重視した、目立つ色合いの商品は、今でも棚の多くを占める。

しかし、少しずつ、目にも優しい色合い、人にも環境にも優しい素材・製造過程にこだわったブランドも増えてきた。

色合いやデザインにバリエーションが増えてきた Photo: Asaki Abumi
色合いやデザインにバリエーションが増えてきた Photo: Asaki Abumi

特に、北欧各地のエコにこだわるショップほど、デンマークのブランド「ジンジャー・オーガニック・コペンハーゲン」をあえて置くようにしている印象を受ける。

どのような商品を置くかは、店の価値観のPRにもつながる。

消費者にとって、選択の幅がどんどん広がっている。

北欧・国際比較文化ジャーナリスト|ノルウェー国際報道協会理事

あぶみあさき。オスロ在ノルウェー・フィンランド・デンマーク・スウェーデン・アイスランド情報発信16年目。写真家。上智大学フランス語学科卒、オスロ大学大学院メディア学修士課程修了(副専攻:ジェンダー平等学)。2022年 同大学院サマースクール「北欧のジェンダー平等」修了。多言語学習者/ポリグロット(8か国語)。ノルウェー政府の産業推進機関イノベーション・ノルウェーより活動実績表彰。北欧のAI倫理とガバナンス動向。著書『北欧の幸せな社会のつくり方: 10代からの政治と選挙』『ハイヒールを履かない女たち: 北欧・ジェンダー平等先進国の現場から』SNS、note @asakikiki

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