ソウル市がチャムシル球場を解体しドーム球場を建設 工事の6年間トゥサン、LGの本拠地はどこに?
ソウル特別市(以下、ソウル市)は18日、同市内のチャムシル(蚕室)総合運動場敷地内にドーム球場を建設する計画を発表。カナダ・トロントのロジャーズセンターを訪問したオ・セフン(呉世勲)ソウル市長もその内容を明らかにした。
そのドーム球場建設の立地が、現在のチャムシル球場を解体撤去した場所となることから問題が生じている。
計画では2025年のシーズン終了後にチャムシル球場を解体。ドーム球場の開場は2032年を予定している。そのため工事が行われる6シーズンの間、チャムシル球場は使えないことになる。
チャムシル球場はトゥサンベアーズ、LGツインズの2球団が本拠地として使用。両球団の事務所も球場内に入居している。
両球団は工事期間中、球場に隣接する競技場を野球場仕様に改装し、一時的に使用することを求めていた。しかしソウル市は周辺工事との兼ね合いで安全管理面から難しいとしている。
ソウル市内にはキウムヒーローズの本拠地・コチョク(高尺)スカイドームと、キウムの前身・ネクセンが使用していたアマチュア専用のモクトン(木洞)球場がある。だが2球団がそれぞれを本拠地とするのは現実的ではない。
その他にソウル近郊の首都圏にはインチョン(仁川)SSGランダーズフィールド、スウォン(水原)KTウィズパークの2球場があるが、6年間も縁故地(保護地域)外の他球団の本拠地を間借りすることは容易ではない。
トゥサンとLGそして韓国野球委員会(KBO)は、競技場の改装使用の実現に向けて協議を進めたいとしている。
・2023年公式戦の観客動員数と球場規模(9月17日現在)
⇒ トゥサンベアーズ紹介(ストライク・ゾーン)
⇒ LGツインズ紹介(ストライク・ゾーン)
◇新球場建設が続く韓国
韓国ではこの十数年、新球場の建設、計画が続いている。現在KBOリーグ10球団が使用する9つの本拠地球場はすべて自治体の所有物。多くの球場が老朽化による改修、新設が求められる中、高額な建設費用がしばらく実現を遠ざけていた。
しかし野球人気の高まりが状況を変えた。球団が建設費用の一部を負担し、長期利用権を得ることを条件に新球場を建設する形ができた。14年にクァンジュ(光州)KIAチャンピオンズフィールド、16年テグ(大邱)サムスンライオンズパーク、19年チャンウォン(昌原)NCパークがこの方式で開場している。
またハンファイーグルスの本拠地・テジョン(大田)も現在、球場横の競技場跡地に新球場を建設中。25年シーズンのオープンを予定している。
韓国第2の都市・プサン(釜山)も25年のオフにロッテジャイアンツが使用するサジク(社稷)球場を解体。29年から新球場を使用する予定だ。
一方、SSGランダーズは親会社のシンセゲ(新世界)グループが、インチョン市内の自社商業施設の隣接地にドーム球場の建設を予定。韓国初となる企業所有の本拠地球場は28年シーズンの開場を予定している。