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NY原油8日:OPECの大量供給が警戒され、反落

小菅努マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト

NYMEX原油7月限 前日比0.99ドル安

始値 58.96ドル

高値 59.13ドル

安値 57.86ドル

終値 58.14ドル

石油輸出国機構(OPEC)総会でOPECの大量供給が継続することが再確認される中、戻り売り優勢の展開に。

OPECは日量3,000万バレルの生産目標を据え置いたが、今後もOPECの供給水準は拡大の一途をたどるとの警戒感が改めて原油相場の上値を圧迫している。イランは、制裁解除後の増産を見据えて加盟国間での生産調整の必要性を訴えているが、OPECとしては特に生産調整は行わない方針を明らかにした形になっており、事実上は各国が自由に増産を行える状況になっている。

米シェールオイルの増産傾向には一定の歯止めが掛かっているが、それ以上にOPECの供給量が拡大する可能性が高まっていることが、原油相場の上昇力を限定している。本日は為替がドル安方向に振れたことが下値サポート要因になるも、60ドル水準での抵抗の強さが再確認されている。

季節要因から米原油在庫に対して減少圧力が強まり易くなっていることはポジティブだが、OPECの大量供給で国際需給が緩む中、少なくとも需給要因から大きく値位置を切り上げる展開を想定することは難しい。このまま為替相場がドル高方向に回帰すれば、60ドル台回復の可能性は一段と低下し、これまでのドル安で上昇してきた反動が、相場を下押しする可能性が高い。需給面の買い材料は乏しいだけに、ドルが急落前の高値水準を回復すれば、50ドル台割れを試すことも十分に可能な相場環境と評価している。

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マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト

1976年千葉県生まれ。筑波大学社会学類卒。商品先物会社の営業本部、ニューヨーク事務所駐在、調査部門責任者を経て、2016年にマーケットエッジ株式会社を設立、代表に就任。金融機関、商社、事業法人、メディア向けのレポート配信、講演、執筆などを行う。商品アナリスト。コモディティレポートの配信、寄稿、講演等のお問合せは、下記Official Siteより。

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