月9「君が心をくれたから」見た!?花火師所作指導をしているのは国内最高峰の花火師なんです!
いよいよ2024年1月8日から、フジテレビ月曜9時のドラマ枠、いわゆる「月9」で『君が心をくれたから』が始まりました。主演の永野芽郁さんと心を通わせる、山田裕貴さん演じる朝野太陽は老舗花火店の跡取り息子という設定。初回も花火工場内のシーンや花火が打ち上がるシーンがありましたが、これからも花火が重要な要素になりそうですね。
花火師が登場するドラマということで、花火好き界隈では、どこかの煙火店さんが協力しているのかな?どこだろう?と楽しみにしていたのですが、テロップを見ていると…
花火師所作指導として
小幡知明
磯谷尚孝
のお二方の名前が記載されていました!
花火に興味がない人はあまりご存じないかもしれませんが、この方々、花火業界の中でもトップクラスの、本当に凄い花火師なんです! どれくらい凄い方々なのか、ご説明していきますね。
2023年土浦全国花火競技大会で優勝した菊屋小幡花火店
小幡知明氏は、群馬県で150年以上続く老舗煙火店「菊屋小幡花火店」の5代目社長です。煙火店(花火会社)の社長というと、そこそこ年齢を重ねた大ベテランのイメージがありますが、まだ40代半ばと、花火業界の中では若手のうちに入ると思います。
しかしその実力は折り紙付き。小幡知明氏が社長を継いだあと、2018年に秋田県大仙市で開催された「全国花火競技大会(大曲の花火)」で、花火競技大会最高峰の賞である内閣総理大臣賞を受賞されました。
先代が2000年に同じく大曲の花火で内閣総理大臣賞を受賞しているので、親子2代での受賞という快挙を成し遂げています。
そして昨年、2023年。茨城県土浦市で開催された「土浦全国花火競技大会」にて、内閣総理大臣賞を受賞されました。
「全国花火競技大会(大曲の花火)」と「土浦全国花火競技大会」は、いずれも日本三大花火大会の一角をしめる、国内で最も有名な花火大会。全国でいくつか花火競技大会は開催されていますが、内閣総理大臣賞という最高峰の賞が授与されるのは、この2つの花火競技大会だけです。
そして、大曲と土浦の両方で内閣総理大臣賞を受賞した煙火店は、現在、菊屋小幡花火店を含め5社しか存在しません。その評価の高さが推し量れると思います。
その花火は、和火や金銀などを多用し、カラフルさよりは限られた色の濃淡で描かれるような印象が強く、たとえて言えば空に浮かぶ蒔絵のような、いぶし銀の輝きがあると感じます。
菊屋小幡花火店の花火はどこで見られる?
そんな菊屋小幡花火店の花火が見られる花火大会としては、群馬県高崎市の「高崎まつり大花火大会」「高崎HANABIコンクール」、群馬県伊勢崎市の「いせさき花火大会」、モビリティリゾートもてぎ(栃木県)の「花火の祭典」(夏・冬の年2回開催)、などがあります。北関東の花火大会やイベントでの花火の打ち上げを多く手掛けておられます。
磯谷尚孝氏は現代の名工にも選出
磯谷煙火店は愛知県岡崎市に拠点を置く煙火店。こちらも創業以来130年以上の歴史があります。磯谷尚孝氏は現代表取締役。氏は厚生労働省が選定する「卓越した技能者(通称:現代の名工)」に2022年に選ばれています。
磯谷煙火店も高い実績を誇っており、2001・2003年の2回、「全国花火競技大会(大曲の花火)」にて内閣総理大臣賞を受賞しています。ほかにもさまざまな花火競技大会で優勝・入賞を重ねており、その存在感はまさに名匠。
「光の宝石」「睡蓮の花」「曼荼羅」など数々の代表作があり、クリアな発色と繊細な造形が美しい花火です。音楽と花火をシンクロさせた「メロディー花火(R)」、ミュージカルのように花火と音楽がドラマと融合する「ドラマチックハナビ」など、魅力的なコンテンツを作り続けています。
磯谷煙火店の花火はどこで見られる?
磯谷煙火店が打ち上げを担当する花火大会はやはり東海地域が多く、毎年12月に開催される「ISOGAI花火劇場in名古屋港」は、煙火店の名称を冠した珍しい花火大会で、花火ファンにおける知名度の高さと人気が伺えます。「豊田おいでんまつり花火大会」(愛知)、「ふくろい遠州の花火」(静岡)、「赤川花火大会」(山形)などの大規模花火大会でも例年、主要プログラムを担当されています。神奈川県で開催される「いせはら芸術花火大会」は、関東で磯谷煙火店の花火を見られる貴重な機会です。
2つの煙火店の花火が同時にみられる花火大会がある!
2024年4月20日(土)開催の「The 絶景花火 Mt.Fuji」では、この両煙火店が共演します。会場は山梨県の「ふじてんリゾート」特設会場。2024年1月10日現在でまだチケットは購入できるようなので、気になる方は下のリンクから詳細をご確認ください。
ドラマを通して広まれ、花火の知識!
「君が心をくれたから」はお仕事ドラマではありませんから、花火工場の場面などはそんなに多くはならないのではないかと思いますが、太陽くんの変化や成長とともに、花火づくりに向き合うシーンも出てくるのではないかな?と予想します。
「花火師所作指導」ということは、花火工場内での花火師の立ち居振る舞いや、花火作製時の動きなどを指導されているのではないかと思われますが、今後、登場人物が花火を作るシーンなども見られるかもしれませんね。
花火作製は、そのほとんどが手作業。本当に地道で、時間がかかり、丁寧で慎重な作業が求められるものです。夜空にパッと咲き、一瞬で消える花火は、何週間、あるいは何か月もかけて作り上げられています。
ドラマは当然現実とは違いますし、ことさらリアルさが重要というわけでもありません。ですが花火好きとしては、美しい大輪の花火を打ち上げるための花火づくりの大変さの一端が、この機会に多くの方に知られるようになるといいなあと思います